中国当局、国際線フライト制限を来年上半期も維持へ

中国当局、国際線フライト制限を来年上半期も維持へ
中国の航空規制当局は、国際線フライトを対象とした現行の制限措置を2022年上半期も維持する見込みだ。写真は2019年11月、フランスのトゥールーズ近郊で撮影(2021年 ロイター/Regis Duvignau)
[北京/シドニー 2日 ロイター] - 中国の航空規制当局は、国際線フライトを対象とした現行の制限措置を2022年上半期も維持する見込みだ。中国国際航空(エアチャイナ)が今週、アナリストらに明らかにした。
中国民用航空局(CAAC)は先月、海外から持ち込まれる新型コロナウイルス感染症例数が拡大し運航休止となる便が増える中、国際線フライトは週間ベースで2019年水準の2%にとどまっていることを明らかにした。
HSBCの船舶輸送・港およびアジア運輸リサーチ部門責任者、パラシュ・ジェイン氏の1日付ノートによると、中国3大航空会社のエアチャイナ、中国南方航空、中国東方航空は決算説明会で、北京冬季五輪を巡る政府の新型コロナ対策を考慮すると、国際線フライトに関するCAACの制限措置は22年上半期まで続く可能性があると説明した。
また、これを受けて完全回復は24年までさらに遠のくだろうと付け加えた。
国際的な移動の回復が後ずれする見通しなどを背景に、一部アナリストは向こう数年間の利益予想を引き下げた。例えば招商証券はエアチャイナの純損益予想を21年が90億元の赤字、22年が27億元の黒字、23年が67億元の黒字にそれぞれ引き下げた。
中国の航空各社はメディア向けの決算会見を開いていない。
エアチャイナとCAACからはコメントを得られなかった。
CAACは20年3月に国際線フライトを削減。いわゆる「5つの1」政策により、本土の航空会社は1社が1つの国に1路線を1週間に1便のみ運航が認められている。外国の航空会社は中国向けに1週間に1便のみ運航が認められる。
これまでには政策を微調整しており、新型コロナに感染した乗客が一定数いれば運航が休止になったり、乗客数が制限されたりする一方、感染症例が持ち込まれなければその航空会社の便を増やしている。

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