香港キャセイ航空、21年下期のキャッシュバーン減少見込む

香港キャセイ航空、21年下期のキャッシュバーン減少見込む
 6月28日、香港のキャセイ・パシフィック航空は、2021年下期にキャッシュバーン(現金燃焼)が1カ月当たり10億香港ドル(1億2884万米ドル)未満に減少すると予想している。写真は香港で昨年10月撮影(2021年 ロイター/Lam Yik)
[27日 ロイター] - 香港のキャセイ・パシフィック航空は、2021年下期にキャッシュバーン(現金燃焼)が1カ月当たり10億香港ドル(1億2884万米ドル)未満に減少すると予想している。レベッカ・シャープ最高財務責任者(CFO)が25日のアナリスト向け説明会で明らかにした内容が26日夜に公表された。
同社のキャッシュバーンは乗務員の隔離規制によって上期には月額最大19億香港ドルに達していたが、新型コロナウイルスワクチンを接種した乗務員に対する規制が緩和され、輸送能力が拡大するに伴い、下期には減少する見通しという。
同社は国境管理規制により旅客数が99%超減少する中、通常の輸送能力のわずか8%で運航している。
シャープCFOは「過去数カ月、新型コロナが香港への旅客に与えた劇的な影響に大きな変化はない」と述べた。
キャセイの顧客・商業部門最高責任者、ロナルド・ラム氏は輸送能力について、中国からの留学生が米国や英国に戻ることから、8月までにはコロナ前の水準の20%まで拡大することを期待しているとし、シンガポールや中国本土への渡航制限緩和に伴い、第4・四半期には30%まで拡大する可能性があると述べた。
キャセイは今月、上期の損失額が前年同期の水準を「幾分」下回るとの見通しを示した。コスト削減策や貨物航空の強い需要が背景。
同社の1カ月当たりのキャッシュバーン見通しは、シンガポール航空が先月発表した現在の1億シンガポールドル(7451万米ドル)─1億5000万シンガポールドルをやや上回る。
シャープCFOは、同社の手元流動性について328億香港ドルとし、妥当なコストで調達が可能な際に追加資金の調達を検討するとした。

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