JALが株主総会 赤坂社長「必ず成長軌道に」
日本航空(JAL)は17日、東京都内で定時株主総会を開いた。赤坂祐二社長は新型コロナウイルス禍により不透明な経営環境が続く中で「(5月に策定した)中期経営計画をしっかり遂行できれば、必ず成長軌道に戻すことができる」と話した。株主からは資金調達の方針や超音速機の導入に関する質問が出た。
取締役と監査役を選任する議案は原案通り可決した。
株主の一人は2020年の公募増資の発表時に株価が下落したことに触れ、融資枠の活用など今後の資金調達の方針を尋ねた。菊山英樹最高財務責任者(CFO)はあらゆる調達方法を検討する考えを示した上で「安易に新株発行に頼るということではなく、(増資による)希薄化を打ち返す1株利益を確実に実現したい」と答えた。
JALは米ユナイテッド航空がこのほど導入を決めた超音速機を開発する米国のスタートアップに出資している。導入の計画を問う株主に対し、西畑智博常務執行役員は「現時点で何も決めているものはない」としつつ「株主として応援していきたい」と話した。
JALはコロナ下での旅客数の急減により、21年3月期は2866億円の連結最終赤字を計上した。今期の業績予想は未定としている。東京都杉並区に住む株主の男性(49)は「黒字化はなかなか難しい。今は『止血』するのが精いっぱいだが、コロナ禍はいつまでも続くわけではない」と話していた。会場では399人の株主が出席し、所要時間は1時間54分だった。