欧州エアバスが主力旅客機の生産目標引き上げ

欧州エアバスが主力旅客機の生産目標引き上げ
 5月27日、欧州航空機メーカーのエアバスは主力旅客機の生産目標を引き上げた。写真は「A320neo」。トゥールーズ近郊で2017年10月撮影(2021年 ロイター/Regis Duvignau)
[パリ 27日 ロイター] - 欧州航空機メーカーのエアバスは27日、主力旅客機の生産目標を引き上げた。世界的な景気回復が背景にあり、フォーリ最高経営責任者(CEO)は「航空機セクターは新型コロナウイルス危機から立ち直り始めている」と強調した。
現在毎月40機となっている最新鋭の「A320neo」の生産数は年末までに45機に引き上げる。さらに2023年第2・四半期までの目標を64機とし、過去最高実績の60機やコロナ危機前に目指していた63機を超える水準に設定した。
小型単通路の「A220」については、今の毎月5機を来年序盤には6機に、25年までに14機に増やすとしている。
航空機需要は、米国と中国の国内旅行活発化を受けて想定以上に急回復している。ただ業界関係者によると、エアバスはこうした野心的な生産目標達成に向けて、今後サプライヤーに対してリスクを背負って投資を拡大するよう説得しなければならない。
実際エアバスは、サプライヤー側に24年第1・四半期までに毎月70機の単通路旅客機生産する「シナリオの実現ができる」態勢を整えてほしいと働き掛けており、25年までには最大で毎月75機の生産が可能かどうかも検討を進めているところだ。
ワイドボディーの「A350」は毎月5機の生産を来年秋までに6機に増やす。こうした旅客機による長距離旅行は需要回復のペースは遅くなるとみられている。

私たちの行動規範:トムソン・ロイター「信頼の原則」, opens new tab