米ボーイング、スピリットを47億ドルで買収へ 全額株式交換で

米航空機大手ボーイングや欧州エアバスの主要サプライヤーである米航空機部品大手スピリット・エアロシステムズは11月5日、継続企業の前提に「相当な疑義」があると開示した。昨年6月、パリ近郊で開催された航空ショーで撮影(2024年 ロイター/Benoit Tessier)
[1日 ロイター] - 米航空機大手ボーイング(BA.N)は1日、経営難の米航空機部品大手スピリット・エアロシステムズ(SPR.N)を47億ドルで買収すると発表した。全額を株式交換方式(1株当たり37.25ドル)で行う。
両社は数カ月にわたり協議を続けていた。
ボーイングによると、取引総額はスピリットの最終的な純負債を含めて約83億ドルに上る。
ボーイングのスピリット買収に伴い、スピリットの顧客でもある欧州航空機大手エアバス(AIR.PA)は1日、米国、北アイルランド、フランス、モロッコにあるスピリットの4工場の中核業務などを引き継ぐと発表した。
業界筋によると、エアバス関連の事業は赤字であるため、同社はA350とA220の部品を製造するスピリット工場を引き継ぐ見返りとして最大10億ドルの補償を迫っていたという。
エアバスは、最終的な取引内容次第でスピリットから5億5900万ドルの補償金を受け取る一方、スピリットには資産の対価として1ドルを支払うと明らかにした。
スピリットはまた、エアバス向けのスコットランドとマレーシアのサポート事業を売却すると発表。また、北アイルランドの事業も売却するという。
ボーイングによると、スピリットの買収は2025年半ばまでに完了する見込み。
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