「福山城泊」 受け付け開始 

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7月から実施

文化・歴史好き富裕層向け

客室となる月見櫓。1階で夕食を取り、2階は寝室になる(福山市で)
客室となる月見櫓。1階で夕食を取り、2階は寝室になる(福山市で)
夕食はペリー一行をもてなしたメニューを参考に、地元食材を使った料理を堪能できる=福山市提供
夕食はペリー一行をもてなしたメニューを参考に、地元食材を使った料理を堪能できる=福山市提供
城泊の「入城体験」。家臣役らに出迎えられ、殿様気分を味わえる=福山市提供
城泊の「入城体験」。家臣役らに出迎えられ、殿様気分を味わえる=福山市提供

 福山城を貸し切りにして一夜を過ごす「城泊」(キャッスルステイ)の予約受け付けが19日始まった。7月から宿泊でき、2人1泊2食付きの基本プランは132万円(税込み)。円安を背景とした訪日客の回復や来年の大阪・関西万博を追い風に、福山駅前という好立地も生かし、日本の文化や歴史に関心が高い富裕層らを主なターゲットにする。(清水裕)

 福山城は、2022年の築城400年に合わせて天守などを大規模改修。福山市などが、市の歴史や文化を知ってもらうために、新たな観光の目玉として城泊の実施を決めた。同年秋には外国人観光アドバイザーらに泊まってもらう実証実験を行った。その後も、希少施設への宿泊だけが目的とされるのではなく、歴史の追体験など付加価値の高いサービスを提供して満足してもらえるよう検討を重ね、施設も整備した。

 城内の博物館が閉まる午後5時から貸し切りとなる。「入城体験」では 筋鉄すじがね 御門(重要文化財)が開門され、着物姿の家臣役に出迎えられて殿様気分を味わえる。「御湯殿」で当時の蒸し風呂をイメージしたサウナ付き浴室で旅の疲れを癒やす。

 2階建ての月見 やぐら が客室で、2階が寝室になる。1階で取る夕食は、福山藩主の阿部正弘(1819~57年)が老中首座だった幕末、来航した米国のペリー一行をもてなしたメニューをアレンジし、瀬戸内の魚介や地元で採れた野菜などで作られた料理を楽しむ。

 食後は天守最上階で、琴の演奏を聴きながら夜景を満喫する。能の鑑賞や鞆の浦への観光などのオプションもあり、専属のコンシェルジュが対応する。

 価格は既に城泊をしている愛媛県大洲市の大洲城(1人1泊2食付き税込み66万円)などを参考にした。高価だが、期待するのは海外の資産家らの利用。歴史的な円安水準もあり、日本政府観光局によると、3月の訪日外国人客数(推計値)は308万1600人と単月では初めて300万人を超えた。新大阪から新幹線で1時間あまりの距離で、駅前にある利便性も長所になりそう。

 福山市の枝広直幹市長は「富裕層のインバウンド(訪日外国人客)は重要な顧客になると期待したい。ほかの宿泊施設とは差別化された商品を提供できると思っている」とPRする。

 城泊の事業は、福山城の指定管理者である「ふくやま芸術文化財団」が担う。問い合わせは、ホテルなどを運営するVMG総合窓口(0120・210・289、午前11時~午後8時)。

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