千鳥ケ淵夜桜ライトアップや上野「桜フェスタ」4月7日まで延長 各地で開花遅れに対応

開花した靖国神社の桜。今年は全国的に開花は遅めの傾向だが、4月に入り徐々に本格化しそうだ=3月29日午後、東京都千代田区
開花した靖国神社の桜。今年は全国的に開花は遅めの傾向だが、4月に入り徐々に本格化しそうだ=3月29日午後、東京都千代田区

今年は全国的に桜(ソメイヨシノ)の開花が遅れている。満開の予定日も後ろ倒しになり、東京都内では桜祭りなど関連行事には期間延長などの動きがみられる。先週末は咲き始め程度にとどまって人出が鈍かった会場もあり、主催者側は巻き返しに期待をかける。

10回目で初

東京都心部の開花は3月29日。観測史上最も早かった昨年より15日、平年より5日遅かった。3月上旬ごろに気温の低い日が続いたことなどが影響したとみられる。都心部の開花が平年より遅くなるのは、平成26年以来10年ぶりだった。日本気象協会の予想(4月1日午後1時発表分)では、満開は4月4日となっている。

桜の名所、上野公園を会場に当初3月22~31日の開催期間だった「うえの桜フェスタ」は、10回目の実施となる今回初めて、期間を延長。4月7日まで行われることになった。主催する上野観光連盟は、「イベント自体が好評だったことに加え、桜の開花時期が遅れていたため、こうした対応を取った。満開の時期までカバーできており、多くの人に桜や街の魅力を感じてもらいたい」とする。

千代田区の千鳥ヶ淵緑道周辺を会場に開催中の「千代田のさくらまつり」は、4月2日までの従来日程を7日まで延長した。夜桜のライトアップやボート場の夜間営業も同日まで実施される。区観光協会によると、先週末の客足は例年に比べかなり少なかったといい、「桜の成長に伴って、人出も伸びることを期待している」とする。

クルーズ船も期間延長

開花前に今年分を終えた会場もある。同じく都内有数の名所、目黒区の目黒川沿いでは、3月23~24日に「中目黒桜まつり」が開かれたものの、期間中は雨が降るなど条件も悪く、大きな盛り上がりはみられなかった。

一方、このエリアでは、船上からの「お花見クルーズ」を企画している複数の会社が、運航期間を延長した。そのうちの1つ、「東京ウォータウェイズ」の担当者は、「3月20日から営業を開始したが、その時期の予約の多くはキャンセルになった。今週末分はすでに満席で、勢いが戻りホッとしている」と安堵の表情をみせた。(中村翔樹)

東京、平年より5日遅く開花宣言

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