万博へ「ビジネス寄り道」促進を 各地を周遊 経済効果を拡大 近畿経産局が大阪でシンポ

シンポジウムで話す関西イノベーションセンターの益子泰岳=8日午後、大阪市北区(井上浩平撮影)
シンポジウムで話す関西イノベーションセンターの益子泰岳=8日午後、大阪市北区(井上浩平撮影)

国際会議や展示会などの「MICE(マイス)」を誘致する動きが活発化していることを好機と捉え、ビジネス目的の来訪者に各地を周遊してもらう「ビジネス・バイウェイ(寄り道)」について考えるシンポジウムが8日、大阪市内で開かれた。来訪者の増加が見込まれる2025年大阪・関西万博が来年に迫っていることもあり、観光先や交通手段の確保を急ぐ必要性が議論された。

近畿経済産業局が主催し、約80人が参加。基調講演で計量計画研究所の牧村和彦理事が、マイスにとどめずビジネス・バイウェイを推進することで経済的な効果を拡大できると説明した。

地域創生や観光などに携わる関係者が登壇。工場や大学の研究施設、産業遺産の見学などマイスと相性のよい観光的な素材を提示するとともに、さまざまな移動手段の予約や決済などを一体的に提供する次世代交通サービス「MaaS(マース)」の整備も重要になるとの主張が相次いだ。

三菱UFJ銀行系の新興企業支援組織「関西イノベーションセンター」の益子泰岳(やすたか)氏は「万博を目的に遠方や海外から大阪・関西を訪れた人は、その前後にどこかを周遊する動きを取るはずだ。ビジネス・バイウェイの需要を捉えることを万博のレガシー(遺産)にしたい」と語った。(井上浩平)

会員限定記事会員サービス詳細