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佐賀県は、国内やアジア地域のハブ空港との路線強化などを盛り込んだ「佐賀空港がめざす将来像2024」を策定した。2015年策定の改訂版で、33年度までに滑走路を現行の2000メートルから2500メートルに延長して供用開始することや、陸上自衛隊の輸送機オスプレイなど自衛隊機との共用が始まることから、平行誘導路や航空管制の整備に取り組むと明記した。(小野悠紀)
15年9月に策定された将来像では、滑走路の延長を除き、駐車場や旅客ビルの整備などほぼ全てを実現。一方、オスプレイ配備計画に伴う駐屯地整備の開始、福岡空港の滑走路増設や長崎空港の24時間化の検討といった近隣空港の機能強化など、環境が大きく変化していることから改訂することにした。
2月に策定した今回の将来像では、佐賀空港の可能性について、滑走路を増設しても混雑が続くとみられる福岡空港の代替機能や、羽田や上海(中国)、ソウル(韓国)、台北(台湾)など東アジアの主要なハブ空港の中心に位置し、九州各地への交通の便が良いなどと指摘。4年ごとの県施策方針の期間に合わせ、26年度までを第1ステージ、27年度以降を中長期的な目標を記す第2ステージとしてまとめた。
国内線は1日5往復の羽田便のみだが、26年度までに関西圏や中部圏との新規路線を開設することで、2路線8往復程度に増便を目指す。27年度以降は滑走路延長で福岡空港の代替機能強化を狙う。
国際線は現在、上海、ソウル、台北の3路線で週11往復が運航するが、26年度までに東アジアの他地域の新規路線開設などで5路線20往復を目標に掲げる。富裕層向けのビジネスジェットの運航強化も目指す。27年度以降は滑走路延長も見据え、タイやシンガポールなどの東南アジア路線の開設や、半導体などを運ぶ国際貨物便の就航を挙げている。
また、防衛省は25年7月までに駐屯地を完成させる方針で、年間約1万7000回の自衛隊機の離着陸を予定。離着陸回数の増加が見込まれる中、滑走路をスムーズに運用するため、平行誘導路の整備や、現状では福岡空港で担っている「航空管制官」の配置も初めて明記した。
県空港課は「滑走路の2500メートル化で色々な発展が見込まれる。他の空港も機能強化を図っているので、利用者や働く人に選ばれる空港を目指していきたい」としている。
内容は県のホームページで確認できる。