大韓航空の営業益45%減 23年、貨物運賃の下落響く
【ソウル=細川幸太郎】韓国航空大手の大韓航空が30日発表した2023年12月期の単独営業利益は前の期比45%減の1兆5869億ウォン(約1760億円)だった。新型コロナウイルス禍が終わって旅行再開の恩恵はあったものの、貨物運賃の下落が響いて3期ぶりの減益となった。
売上高は同9%増の14兆5751億ウォン、純利益は同48%減の9168億ウォンだった。旅客売上高が2.1倍の9兆139億ウォンと好調だったものの、貨物売上高が48%減の4兆297億ウォンに落ち込んだ。
アジアのハブ空港、仁川国際空港を本拠地に持つ大韓航空は、旅客と貨物を2本柱とする事業構成だ。コロナ下では、旅客機の往来がストップしたため旅客機で荷物を運ぶ「ベリー輸送」の供給が急減し貨物運賃が急騰した。そのため貨物が得意な大韓航空は21年、22年に「コロナ特需」で過去最高益を記録した経緯がある。
23年10〜12月期は売上高が前年同期比10%増の3兆9801億ウォン、営業利益が65%減の1836億ウォンだった。旅客売上高を地域別に見ると、米州路線は前年同期比34%増、欧州は60%増、日本は2.5倍に急増した。旅客増はあったが、燃料費や人件費の高騰が響いた。
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