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タクシー配車アプリ「GO」の導入が福井県内で進んでいる。待ち時間短縮やタクシーの稼働率向上に効果があるとされ、来月には約6割の法人タクシーで利用可能となる見込みだ。県もアプリやキャッシュレス決済導入の費用などを全額負担し、利用を促している。(門前光)
「GO」は東京の企業が開発した。スマートフォンで乗降場所などを入力すると、タクシーが到着し、目的地へ連れて行ってくれる仕組みだ。到着時間や料金は事前に表示される。支払いはアプリに登録したクレジットカードで決済する。
福井市内で15日、「GO」の説明会が開かれ、県内のタクシー事業者13社が参加した。敦賀海陸運輸(福井県敦賀市)の担当者は「慣れれば便利なことばかり。乗客にとっても、よりタクシーを使ってもらいやすくなるのでは」と期待する。
県交通まちづくり課によると、個人タクシーを除く県内の法人タクシー全845台のうち、現在は福井都タクシー(福井市)などの104台(12・30%)がアプリを取り入れている。説明会に参加した事業者は2月から導入を予定しており、474台(56・09%)で利用可能になるという。
県は昨年6月の補正予算で1億8900万円を計上し、タクシーのDX(デジタルトランスフォーメーション)化を打ち出した。北陸新幹線金沢―敦賀間延伸を前に2次交通となるタクシーの利便性を高め、観光への波及効果を狙う。交通手段のない高齢者らの利便性向上にも役立てる。
福井市内で飲食店を経営する30歳代男性は、配車アプリを頻繁に利用する。「どれくらいで来てもらえるか、ひと目で分かるので、気軽に呼べる。店の客のタクシーを呼ぶ際にも便利だ」と話す。
戸惑いの声も
都市部では利用が拡大している一方で、戸惑う声も上がっている。高齢のドライバーは端末操作が苦手な人が多いためだ。
永平寺観光(同県永平寺町)の担当者は「うまく使っていけるだろうか。従来の配車オペレーターとは別に、アプリで配車依頼が運転手に届くので、会社側も運行状況の把握を一層しっかりしないと」と不安がる。別の事業者からは「ネットの接続環境が悪い場所で、決済はうまくいくのか」といった声も出ている。