ジェットブルー航空の買収阻止 米地裁「顧客に不利益」
【ニューヨーク=弓真名】米司法省が米格安航空会社(LCC)のジェットブルー航空と同業スピリット航空の合併差し止めを求めて提訴していた件について、米連邦地裁は16日、合併を阻止する判決を下した。スピリットが統合されれば、同社の低価格なサービスに頼る多くの顧客が不利益を被る可能性が高いと判断した。
買収に成功すれば、米国内市場シェアが大手ユナイテッド航空につぐ5位の航空会社となる可能性があった。合併を阻止する判決をうけてスピリット株は16日、一時60%強下落した。
スピリットは2022年10月、ジェットブルーが提案した38億ドル(現在の為替で約5590億円)の合併契約を受け入れると発表した。23年3月に米司法省が差し止めを求め提訴した。
裁判官は「2社の合併は(業界大手に対する)競争圧力を強める」と合併の利点も認めたうえで、「ジェットブルーは(合併後に)より高い運賃を顧客に請求しようと計画している。低運賃を求めるスピリットの顧客に打撃を与える」と述べた。
ジェットブルーとスピリットは今後、この判決を不服として控訴する可能性がある。
米CNNによると2社は「我々の合併がより多くの顧客に低運賃と素晴らしいサービスを提供するものだと信じ続けている。裁判所の決定を見直し、次の法的なステップを検討している」とコメントした。
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