周遊型宿泊予約システム 日本ユニスト、和歌山市で開発
不動産事業やホテル運営などを手掛ける日本ユニスト(大阪市)は、和歌山市に宿泊予約システムの開発拠点を開設する。11日に和歌山県と進出協定を結んだ。同社は熊野古道沿いに宿泊施設「センリトリート」を展開している。まずは熊野古道を周遊できるよう複数のセンリトリートを一括予約できるシステムを開発し、カバー範囲を全国に広げたい考えだ。
JR和歌山駅近くのビルに開設する「和歌山オフィス」は2月から操業する。3年間で地元からエンジニアなど12人を雇用する予定だ。和歌山県庁での協定調印式で、同社の今村亙忠社長は「複数拠点の宿泊施設予約に対応するシステムの開発と、ホテル運営の省人化システムなどDX(デジタルトランスフォーメーション)支援事業を展開する」と説明した。
同社は現在、和歌山県田辺市の熊野古道「中辺路」沿いにセンリトリートを2カ所運営しており、2年内にもう2カ所増やす計画だ。これらを含め、現地の宿泊施設の参加を募り、1度の予約で中辺路を周遊できるようなシステム開発を進める。同システムは関西や四国、九州など全国各地の周遊旅行にも活用できるという。
ホテル運営の省人化では、台湾のホテル運営管理システム等を手掛けるIT(情報技術)ベンチャー「ドンケン・テクノロジーズ」と協業する。ほぼ無人で宿泊施設を運営できるシステムを広げる方針だ。ドンケン社は2022年に和歌山県と進出協定を結び、和歌山市に拠点を置いている。