ヘリで観光 周遊実証運航 県など 車より時間大幅短縮 外国人富裕層に需要

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実証運航で使われたヘリコプター(28日、熊野市で)
実証運航で使われたヘリコプター(28日、熊野市で)

 県などは、主に富裕層の外国人が県内観光地を巡る移動手段としてヘリコプターを活用するための検討を進めている。県内には全国的に知名度の高い観光資源がありながら、空港や新幹線の駅がなく、移動に長時間かかるためだ。28日には志摩市や熊野市などを旅行会社の関係者らがヘリで周遊する実証運航が行われた。

 県によると、外国人が県内を訪れるには県外の空港から入国後、車や電車などで移動する必要があり、駅から観光地までの「2次交通」の利便性向上が課題となってきた。

 そこで県は、新たな移動手段としてヘリ活用の検討を開始。今年9月には自治体やヘリ事業者などでつくる協議会を設立し、この日は外国人対象の旅行会社や自治体の関係者らがヘリ(8人乗り)に搭乗した。

 一行は、愛知県の中部国際空港(セントレア)を離陸してから30分後に志摩市のリゾートホテル「アマネム」のヘリポートへ到着した。宿泊施設を見学し、同市の旧越賀中学校のヘリポートに着陸。海女小屋「さとうみ庵」で昼食を取り、熊野市の熊野救急ヘリポートに移動後、熊野古道の松本峠などを訪れ、多気町の商業リゾート施設「VISON」に降り立った。

 車で移動した場合は7時間以上かかる行程だが、この日ヘリに乗っていたのは1時間45分ほどだった。

 イギリス出身で三重県観光事業アドバイザーを務めるアレキサンダー・ブラッドショーさん(44)は「短時間で移動でき、利便性を実感した」と評価。その上で「車に長時間乗りたくない富裕層を迅速に行きたい場所へ連れて行くことができ、田んぼなど日本の景色を上空から楽しめる」と本格運航に期待を込めた。

 普及に向けた課題の一つは、高額となる見通しの運賃だが、海外在住の富裕層の一部は鈴鹿サーキットのレースを観戦する際などに既にヘリを利用しており、県は一定の需要があるとみている。今回のヘリを運航した「朝日航洋」(東京都江東区)によると、海外からのヘリやプライベートジェット機の手配の問い合わせはコロナ禍前の10倍近くに増えており、営業部の着本 のどか さん(43)は「再来年には大阪・関西万博も控えており、需要は拡大していく」との見方を示した。

 県によると、日頃は防災用として使っているヘリポートを輸送用としても利用できるか調査を進めるという。

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