オーバーツーリズム対策強化へ 政府が省庁横断会議を設置

外国人観光客でにぎわう浅草・浅草寺周辺=6月30日、東京都台東区(納冨康撮影)
外国人観光客でにぎわう浅草・浅草寺周辺=6月30日、東京都台東区(納冨康撮影)

斉藤鉄夫国土交通相は29日の閣議後記者会見で、訪日観光客らが訪問先の生活環境などを乱す「オーバーツーリズム(観光公害)」の未然防止や抑制に向け、省庁横断の対策会議を設置すると発表した。今秋に対策を取りまとめる方針という。

観光客の増加伴い、一部の観光地では公共交通機関や飲食店などが混雑し、ごみのポイ捨てなどのマナー違反で住民の生活環境も悪化。住民が迷惑を受けるだけでなく、観光客にとっても満足度の低下につながる恐れがある。

観光庁はこれまで、混雑緩和のため有名な観光地の混雑情報を発信したり、マナー啓発に取り組む地域への支援を行ったりしてきたが、関係省庁が連携して対策の強化を検討する。斉藤氏は「引き続き、住んでよし、訪れてよしを実現すべく、持続可能な観光地づくりに資する取り組みを進めていきたい」と述べた。

対策会議の具体的なスケジュールや参加メンバーは検討中。26日に岸田文雄首相が訪問先の沖縄で、オーバーツーリズム対策を今秋にも取りまとめる方針を示していた。

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