京都市の観光事業者、「人手不足」7割 接客職で顕著
京都市観光協会の調査で、市内の観光事業者の約7割が人手不足を感じていることがわかった。市内では観光客数が新型コロナウイルスの感染拡大前の水準に近づいており、宿泊施設の客室稼働率も7割台で推移している。新型コロナ禍で従業員が離職して人手が減り、観光客が戻った現在も人材の採用が進まないことが一因と見られる。
調査は6月に市内の152の事業者を対象に実施した。人手不足を感じているかどうかについて尋ねたところ、「とても感じる」が38%、「感じる」が33%に上った。不足している職種は「接客」が46%、「営業・渉外」が34%、「調理」が23%だった。
人手不足の解消のために既に取り組んでいることは「賃金水準の向上」が52%に上った。しかし、ヒアリング調査では「賃金水準の向上に取り組んでいるにもかかわらず就職希望者が集まらず苦労している」との声が寄せられた。2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の影響で大阪に人材が集中し、京都での人手不足がさらに深刻になる恐れがあるとの指摘もあった。