大韓航空の営業益36%減 4〜6月、貨物運賃の低下響く
【ソウル=細川幸太郎】韓国航空大手の大韓航空が2日発表した2023年4〜6月期の単独営業利益は、前年同期比36%減の4680億ウォン(約510億円)だった。世界的な旅行再開の恩恵はあったものの貨物運賃の低下が響き、3四半期連続の減益となった。
売上高は同6%増の3兆5354億ウォン、純利益は同18%減の3715億ウォンだった。燃料費はやや値下がりしたものの、人件費が増加して営業費用は18%増えた。
事業別の売上高で「旅客」は2.5倍の2兆2210億ウォン、「貨物」は56%減の9638億ウォンだった。海外旅行の需要が急増して旅客売上高の正常化が進んだ一方、新型コロナウイルス禍で高止まりしていた貨物運賃の下落で貨物売上高は半減した。
近年の航空業界ではコロナ禍で旅客機の往来がストップしたため、旅客機で荷物を運ぶ「ベリー輸送」の供給が激減して貨物運賃が急騰した。もともと貨物比率の高かった大韓航空はハブ空港である仁川国際空港を拠点に高値の貨物需要を取り込んで、21年、22年と過去最高益を達成した経緯がある。
しかし、コロナ後の航空正常化の過程で旅客は伸びたものの、貨物事業が低迷。世界の航空会社が業績回復を続ける中で、大韓航空は業界動向から逆行する形となった。
旅客売上高を地域別にみると、米州路線は前年同期比2倍、欧州は4.8倍、東南アジアは2.8倍、中国は8倍、日本向けも9倍に増えた。
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