東武鉄道系、バイオ燃料バスを実証運行 栃木・日光で
東武鉄道子会社の東武バス日光(東京・墨田)は1日、栃木県日光市で一部の路線バスにバイオ燃料を使う実証運行を始めた。使用済みのてんぷら油などをもとにした燃料を通常の軽油に5%混ぜた「バイオディーゼル燃料混合軽油」を給油し、車両への影響や燃料効率などを検証する。
バイオ燃料を使うのは大型(乗車定員約70人)、中型(約60人)、観光型(約50人)の3台。JR日光駅や東武日光駅から観光道路のいろは坂の上にある中禅寺温泉方面に向かう路線バスなどで営業運転する。3台合わせて1日約500キロ程度走行するという。
実証期間は2024年3月末まで。有効性を確認し、30台強ある全てのバスへの導入を目指す。実証後は、金谷ホテル(日光市)やザ・リッツ・カールトン日光(同)など栃木県内にある東武グループの施設で出る使用済み食用油を活用する計画だ。東武バス日光の試算によると、全てのバスに導入すると年間70トン以上の二酸化炭素(CO2)削減効果があるという。
環境配慮型のバスでは電気自動車(EV)も選択肢だが、いろは坂の長く急な下り坂でのブレーキ性能に課題があり、バイオ燃料車を選んだ。コストもEVバス導入よりは抑えられるが、通常の軽油に比べると燃料代は上がる。費用面での実用の可否も実証期間に見極めるという。
東武鉄道や日光市などはいろは坂の上の奥日光エリアを国の脱炭素先行地域に提案し、4月に選定された。今回の実証運行は先行地域に関する取り組みの第1弾。