中国のモバイル決済アプリ、海外のクレカで利用可能に

中国のモバイル決済アプリ、海外のクレカで利用可能に
中国でモバイル決済アプリを運営するテンセント・ホールディングスとアント・グループは、中国本土を訪れる外国人旅行者が海外のクレジットカードを利用して両社のサービスを利用できる体制を整えると発表した。世界インターネットカンファレンスで2019年撮影。(2023年 ロイター/Aly Song/File Photo)
[香港 28日 ロイター] - 中国でモバイル決済アプリを運営するテンセント・ホールディングスとアント・グループは、中国本土を訪れる外国人旅行者が海外のクレジットカードを利用して両社のサービスを利用できる体制を整えると発表した。
中国ではモバイル決済アプリの利用が普及しており、外国人旅行者がクレジットカードや現金を使えず、決済に困ることが多かった。
モバイル決済アプリ「ウィーチャット・ペイ(微信支付)」を運営するテンセントは28日、来月から海外のウィーチャット・ユーザーが米カード大手ビザの発行したカードをウィーチャット・アプリにリンクできるようになると発表。中国本土を訪れる外国人旅行者はウィーチャットで支払いができるという。
米カード大手マスターカードも先週、クレジットカードやデビットカードをアントの運営するモバイル決済アプリ「アリペイ(支付宝)」のデジタルウォレットにリンクすることが可能になると発表。ようやく「地元住民のように決済できるようになる」と表明した。
テンセントとアントは2019年にもビザ、マスターカードと提携し、海外のクレジットカードを両社のサービスで利用できる体制を整えたが、関係筋によると、その後の新型コロナウイルス流行に伴う国境閉鎖で外国人旅行者が急減し、取り組みが後退していた。
ただ、今年に入り中国が国境を再開したことで、こうした取り組みが息を吹き返しており、外国人旅行者は簡単な手順で海外クレジットカードとモバイル決済アプリを連携できるようになる。
19年の提携の際は、海外クレジットカードの決済を認められた事業者は少数だったが、テンセントとアントは今回、エコシステム全体を海外のクレジットカードに開放し、外国人旅行者が屋台の食事から生命保険の契約までさまざまな商品・サービスを決済できるようになる。

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