東急がホテルの定額制プラン開始 全国110施設利用可、30連泊なら29万9800円

東急が開始するホテルの定額制サービスが対象になる「東急歌舞伎町タワー」内の客室=17日、東京都新宿区(飯嶋彩希撮影)
東急が開始するホテルの定額制サービスが対象になる「東急歌舞伎町タワー」内の客室=17日、東京都新宿区(飯嶋彩希撮影)

東急は17日、全国のホテルに定額制で一定の日数を自由に宿泊できるサービスを本格的に始めたと発表した。訪日客需要が急回復する一方、ホテル業界は深刻な人手不足が続いている。休日に需要が偏在する中で、定額制サービスを通じて混雑する休日と人手が余る平日の需要バランスの平準化を図りたい考えだ。

定額制サービス「TsugiTsugi(ツギツギ)」は、会員登録すると東急と連携する加盟社分を含め、全国110施設に定額で宿泊できる。登録は無料で、個人向けは繁忙期を除く2泊と5泊、繁忙期も利用できる14泊と30連泊の4プラン。価格は2泊プランは税込み2万3980円、30連泊プランは同29万9800円。各プランとも同伴者1人が無料になるなど割安な設定だ。法人向けは宿泊日数を自由に設定できる。

定額制は新型コロナウイルス禍でリモートワークが浸透したことをきっかけに2年前から実証実験を始めていた。東急の担当者は「宿泊業は需要の変動が激しく、稼働率が一定になれば施設や周辺地域の混雑緩和にもつながる」と話しており、令和7年までに会員数5万人を目指す。

定額制サービスは他のホテルなどにも導入の動きがあるが、じゃらんリサーチセンターの森戸香奈子主席研究員は「(定額制は)需要が伸びるのか先を読むのが難しい。ターゲット層の絞り込みなどが課題になる」と指摘している。(飯嶋彩希)

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