コスモ石油など、再生航空燃料を量産へ 国内初
コスモ石油や日揮ホールディングス(HD)などは16日、国内初となる持続可能な航空燃料(SAF)の量産プラントを堺市で着工すると発表した。総事業費は約200億円。2024年度に稼働し、SAFを年間約3000万リットルつくる。脱炭素を進める航空会社の需要が伸びるとみている。
コスモ石油と日揮HD、廃油再生のレボインターナショナル(京都市)の共同出資会社が、コスモ石油の堺製油所(堺市)に生産設備をつくる。化石燃料由来のジェット燃料にSAFを最大5割混ぜ、国内の空港に出荷する。3000万リットルのSAFを3割混ぜた燃料があれば、東京とロンドンの約350回往復をまかなえるという。
生産するSAFは原料の調達から消費までの工程で、従来のジェット燃料に比べて二酸化炭素(CO2)の排出量を約8割減らせるとしている。原料となる廃食油は国内の飲食店や食品工場などから集める。
コスモ石油の鈴木康公社長は同日の起工式で「SAFは次世代エネルギーの代表格だ。国内生産のトップバッターになる」と述べた。日本政府は30年に国内航空会社の燃料使用量の10%をSAFに置き換える目標を掲げている。