ブッキングHD、22年末比3割高 中国経済再開追い風
Investment Radar
旅行予約サイト大手の米ブッキング・ホールディングスの株価が好調だ。年初から右肩上がりで上昇し、足元は2022年末比で3割超高い。中国政府による「ゼロコロナ政策」の緩和を背景に、旅行予約件数の増加が収益の拡大につながるとの期待がある。
同社はホテルや航空券などのオンライン予約を手がける。社会全体のデジタル化を追い風に、業績を着実に伸ばしている。2022年10〜12月期の純利益は12億ドル(1600億円程度)と前年同期からおよそ倍増し、市場予想を上回ったことも直近の買い手掛かりとなった。
米ティグレス・ファイナンシャル・パートナーズのリサーチディレクター、アイバン・ファインセス氏は「不透明なマクロ環境を乗り越える強い旅行需要が続いている。中国の経済再開が株高の呼び水となった」と解説する。
足元も強気な見方が目立つ。英バークレイズは21日、「オーバーウエート」の投資判断を維持した上で、目標株価を2585ドルから2911ドルに引き上げた。予想PER(株価収益率)は20倍台と、同業の米エクスペディア・グループなどと比較して割安感は乏しい。中国を中心に旅行予約件数をどこまで伸ばせるかが大きな焦点だ。