宮島を持続可能な観光地へ 広島県廿日市市の事業始動
広島県廿日市市は世界遺産の厳島神社がある宮島で持続可能な観光地域を目指す「千年先も、いつくしむ。」プロジェクトを始めた。島内人口が減少する一方で観光客は増加し、地域生活へ負担をかけている実情がある。ポスターや動画を製作、分散型観光の推奨などに取り組む。
18日に記者発表会を開いた。制作したポスターは4種類で、宮島の原生林や神に祈る住民などを取り上げた。5月に広島市で開かれる主要7カ国首脳会議(G7サミット)でも掲示する。今後動画やウェブサイトなどの内容を充実させていく。廿日市市の松本太郎市長は「宮島を守る人の輪を広げていきたい」と話した。
18日付で宮島が中四国地方で初めて環境省の「ゼロカーボンパーク」に登録されたとも発表した。二酸化炭素(CO2)の排出削減や脱プラスチックに取り組む。10月から船舶運賃に100円を上乗せする宮島訪問税の徴収も始める。
廿日市市は20年に宮島まちづくり基本構想を策定している。23年度内にも島民と行政のパイプ役となる島づくり組織の準備会を設立し、有識者も交えた連絡会議を通じてまちづくりでの連携を図る。