中国人の海外旅行、コロナ前水準に戻らず 航空運賃高騰などで

中国人の海外旅行、コロナ前水準に戻らず 航空運賃高騰などで
 4月19日、5月1日の中国労働節(メーデー)に伴う大型連休で海外旅行を計画している中国人観光客の数は、アジア地域を中心に回復傾向にある。写真はタイの伝統衣装を身に着けた中国からの旅行客。バンコクで1月撮影(2023年 ロイター/Chalinee Thirasupa)
[北京/バンコク 19日 ロイター] - 5月1日の中国労働節(メーデー)に伴う大型連休で海外旅行を計画している中国人観光客の数は、アジア地域を中心に回復傾向にある。ただ、長距離航空運賃の高騰などで新型コロナウイルス感染拡大前の水準にはまだ戻っていない。
中国のオンライン旅行会社シートリップによると、中国国内の多くの地域で連休となる4月29日から5月3日までの間の海外ツアー予約は4月初めから157%増加している。
一方、航空各社の輸送能力はまだ完全に戻っておらず、消費需要も引き続き弱いことから、海外旅行者の数はピーク時の水準を大きく下回っている。
タイ観光省の直近データによると、2月にタイを訪れた中国人観光客は15万人を突破して3年ぶりの高水準となった。ただ、2019年2月の水準を85%下回っている。
日本と韓国への旅行者は19年2月の水準の5─10%までしか回復していない。
キャピタル・エコノミクスの中国担当エコノミストは「航空業界や渡航先の観光業の供給面での制限が特に問題となっている」と指摘した。
旅行関連データを提供するフォワードキーズによると、欧州向けの航空券はコロナ禍前の水準から最大80%値上がりしている。
中国人観光客の回復は各国経済にとって極めて重要。19年夏にタイ、ベトナム、日本、韓国を訪れた中国人観光客は全体の30─35%に上り、フィリピンでは25%を占めた。
シティの試算によると、19年に1億5500万人の中国人が海外を旅行し、海外での支出はベトナムの国内総生産(GDP)とほぼ同水準の2546億ドルに達した。
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