WBCキャンプ効果、宮崎の宿泊稼働指数が全国最高 2月
九州経済調査協会が8日発表した2月の九州7県の宿泊稼働指数は、前年同月比40.3ポイント上昇の74.1だった。前年同月を上回るのは17カ月連続で、上げ幅は前年同月との比較が可能な19年7月以降で最大となった。宮崎県で実施されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表のキャンプの見学など、宿泊客が大幅に増加した。
県別では宮崎が40.3ポイント上昇の84.7と、全国で最高となった。複数のプロ野球チームのキャンプが開かれる宮崎では、観覧客が押し寄せる効果で新型コロナウイルス禍以前の19年と20年に2月の宿泊稼働指数が全国最高だった。21年と22年は感染拡大で押し上げ効果がなかったが、今年はWBCの効果もありコロナ前の傾向に戻った。
九州は他県も水準が高く、福岡は46.6ポイント上昇の71.9、鹿児島が42.3ポイント上昇の79.3など、全県が70を超えた。沖縄も53.3ポイント上昇の76.4と、前年同月比の上げ幅は全国最大だった。相対的に温暖な九州・沖縄を旅行先に選ぶ季節性のほか、ホテル側が従業員をそろえられず空室の供給が不足したことも影響した。
九州経済調査協会の調査担当者は「コロナ禍以前の季節性などが復帰しており、宿泊動向の正常化が近づいている。入国時の水際対策が緩和された中国からのインバウンド(訪日外国人)が回復すれば指数の押し上げ要因となる」と話す。
九州経済調査協会が同日発表した九州7県の景気動向指数(CI)の3月予測値は、前月比横ばいの116.9だった。景気回復傾向は続いているが、生産・消費分野の指標が伸び悩んでいるという。沖縄県は0.9%下落の117.3だった。
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