西武HD社長に西山隆一郎氏 後藤高志氏は会長兼CEOに
西武ホールディングス(HD)は9日、西山隆一郎取締役常務執行役員(58)が4月1日付で社長兼最高執行責任者(COO)に昇格する人事を発表した。後藤高志社長(73)は代表権のある会長として最高経営責任者(CEO)を兼ねる。西山氏は後藤氏と同じ旧第一勧業銀行の出身。新型コロナウイルス禍で低迷した鉄道やホテル事業の立て直しに一定のメドを付けるなか、2トップ体制で成長路線への転換を急ぐ。
後藤氏は05年に前職のみずほコーポレート銀行(現みずほ銀行)副頭取から転じ、有価証券報告書への虚偽記載で揺らいだ西武鉄道の社長に就任。06年に誕生した西武HDでも社長を務め、グループの再建に携わった。コロナ禍で悪化した財務体質の改善に向け、ホテルやレジャー施設など国内31施設をシンガポール政府系投資ファンドGICに売却することを決めた。
ホテル事業が回復、23年3月期純利益を上方修正
西武ホールディングス(HD)は9日、2023年3月期の連結純利益が前期比7.4倍の790億円になりそうだと発表した。従来予想から40億円上振れする。政府の観光促進策「全国旅行支援」や水際対策の緩和が追い風となり、ホテルの宿泊利用が想定を上回る。為替が円安に推移したことで海外事業の利益も押し上げられる。
売上高にあたる営業収益は同7%増の4240億円、営業損益は170億円の黒字(前期は132億円の赤字)となる見通し。従来予想をそれぞれ80億円、40億円上回る。「ザ・プリンス パークタワー東京」(東京・港)を含む国内ホテル・レジャー関連31施設の売却益も計上し、純利益は過去最高を見込む。
同日発表した22年4〜12月期連結決算は、営業収益が前年同期比7%増の3205億円、最終損益が705億円の黒字(前年同期は88億円の赤字)だった。