中国、春節休暇の国内旅行3億人 コロナ前の9割水準

【上海=若杉朋子】中国文化観光省は27日、春節(旧正月)に伴う大型連休(21〜27日)の国内旅行者数が前年比23%増の延べ3億800万人だったと発表した。新型コロナウイルス流行前の2019年の9割近い水準となった。観光収入は前年比30%増の3758億4300万元(約7兆2000億円)だった。
新型コロナを封じ込める「ゼロコロナ」政策が昨年12月に事実上終了し、4年ぶりに移動制限のない春節となった。休暇を家族らと過ごす帰省客が増え、国内の観光地もにぎわった。
国家移民管理局によると、21〜26日に中国本土から香港や海外に出た人は延べ119万2000人で前年比2倍だった。旅行予約サイトの携程集団(トリップドットコムグループ)によると、海外ではタイやシンガポール、マレーシアなど東南アジアが人気を集めた。
中国交通運輸省は春節休暇を挟む40日間の旅客数が前年の2倍の延べ20億9500万人になると予測している。人の移動や集まりが増え、新型コロナ感染が地方都市や農村に広がる可能性も懸念されている。