リッツ・カールトンでは1杯5800円 広がる人気ラーメン店とのコラボ

「AFURI共作 栃木 柚子塩らーめん」(ザ・リッツ・カールトン日光提供)
「AFURI共作 栃木 柚子塩らーめん」(ザ・リッツ・カールトン日光提供)

高級ホテルや大手食品メーカーなどが人気ラーメン店とコラボレーションする動きが加速している。地域の食材や器などにこだわった「至高の一品」や、食物繊維やビタミンが豊富なアーモンド飲料をスープ素材に使って健康志向をアピールするラーメンが登場。大手回転ずしチェーンでも、人気ラーメン店監修のメニューが好評だ。「日本の国民食」ラーメンは、バリエーションを増やしつつ活躍の場を広げている。

栃木・日光で味わう「至高の一品」

日光連山を代表する標高2486メートルの男体山の眺望を楽しめる「ザ・リッツ・カールトン日光」(栃木県日光市)は、日本や米国、ボルトガルなどで約30店舗を展開するラーメン店「AFURI(アフリ)」とコラボ。ホテル1階の「ザ・バー」で「AFURI共作 栃木 柚子塩らーめん」を1月25日から提供する。

AFURIは、神奈川県丹沢山系の東端にある大山(通称・阿夫利山)の麓から湧き出る清らかな天然水でスープを仕込んでいる。

「AFURI共作 栃木 柚子塩らーめん」(ザ・リッツ・カールトン日光提供)
「AFURI共作 栃木 柚子塩らーめん」(ザ・リッツ・カールトン日光提供)

共作ラーメンでは、新鮮な鶏ガラと香味野菜、昆布や鰹節などの魚介類を丁寧に抽出したスープに特製の塩ダレを加え、床井柚子園(宇都宮市)が栽培した「宮柚子」の黄柚子果汁をブレンド。栃木県産小麦「ユメカオリ」を使った極細麺は風味が上品で食べやすく、スープとの相性も抜群だ。

益子焼の陶芸家と料理人によるオリジナルブランド「GENDO」のアーティスト、松崎健氏が手掛けた特注の器に麺とスープを入れ、栃木県産のチャーシューや煮卵などの具や薬味をお好みで加える。

価格はサービス料込みで5800円だ。AFURIの中村比呂人社長は「本物を知るお客様にぜひお召し上がりいただきたきたい。きっと皆様を幸せにし、心に響き続ける一杯となる」。ザ・リッツ・カールトン日光のアレクサンダー・マックブライド総支配人は「唯一無二のダイニングエクスペリエンス(食体験)を届けられることを大変嬉しく思う」と自信を込める。

大阪・北新地にはアーモンドミルク・ラーメンが登場

江崎グリコは、大阪市の繁華街・北新地にあるミシュラン一つ星の割烹料理店「野口太郎」の店主で、同社のアーモンド飲料「アーモンド効果」の開発に協力する野口太郎氏が展開するラーメン店「野口太郎ラーメン」とタッグを組む。

野口太郎ラーメン北新地本店で提供される「アーモンドミルク・ラーメン」(江崎グリコ提供)
野口太郎ラーメン北新地本店で提供される「アーモンドミルク・ラーメン」(江崎グリコ提供)
野口太郎氏(江崎グリコ提供)
野口太郎氏(江崎グリコ提供)

1杯に約18個分のアーモンドを使った「アーモンドミルク・ラーメン」を共同開発。北新地本店(大阪市北区)で1月23日から2月22日まで、毎日20食限定で提供する。

鶏白湯をベースとしたスープにアーモンドミルクやアーモンドペーストをふんだんに加え、濃厚な甘さや香りが楽しめる。アーモンドを練りこんだ特製の麺を使用し、もっちりしながらも喉ごしをよくした。美容意識の高い女性らをターゲットとし、価格は1280円だ。

野口氏は「アーモンドをしっかりと感じられるかどうか」に最もこだわったという。スイーツでは使われることが多いが、料理では「優秀な隠し味」(野口氏)にとどまりがちなアーモンドを前面に出した。

回転ずし店で本場の「蟹味噌ラーメン」

わざわざ遠出をせずに、人気ラーメン店の味を手軽に楽しむこともできる。

札幌みそのが監修し、かっぱ寿司で提供される「蟹味噌と北海道味噌の濃厚W味噌ラーメン」(カッパ・クリエイト提供)
札幌みそのが監修し、かっぱ寿司で提供される「蟹味噌と北海道味噌の濃厚W味噌ラーメン」(カッパ・クリエイト提供)

コロワイドグループのカッパ・クリエイトが展開する回転ずしチェーン「かっぱ寿司」は、人気ラーメン店が監修する「本格ラーメンシリーズ」第23弾として、味噌ラーメンの本場・札幌市に本店を構える「札幌みその」が監修した「蟹味噌と北海道味噌の濃厚 W味噌ラーメン」(539円)の提供を開始した。

鶏豚ベースのコクのある味噌スープに、にんにく、生姜などをブレンドして濃厚で風味豊かな味わいを実現。北海道産の蟹から抽出したオイルが香りと風味を増し、もちもちとした食感の極太麺とよく合う。

かっぱ寿司は平成30年6月から本格ラーメンシリーズを展開し、昨年12月時点で累計1200万食以上を販売した。札幌みそのは昨年春に発売した第17弾を監修して大好評だったため、再登場することとなった。

すし店でラーメンを食べるなど昔は考えられなかった。外食チェーンのスタイルが変化するなかでも、国民食ラーメンは存在感をいっそう高めている。(宇野貴文)

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