中国人不在「日本の観光業復活のカギ」はペットだ インバウンド不調の穴を埋める存在になる

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ペットと泊まれる宿泊施設の人気が高まっているそうです(写真:RossHelen/PIXTA)
かつては国の後押しなどもあり、隆盛を誇っていた日本の観光業。しかしコロナ禍をきっかけに、海外からの旅行者が見込めなくなり、苦戦を強いられている。はたして今後、「復活」は期待できるのか。本稿では、人気経済評論家・渡邉哲也氏の新著『世界と日本経済大予測2023-24』より、日本のインバウンド業界の動向について解説する。

中国の人口は、実は11億人?

少子高齢化は長期的な中国の弱点と言える。1人っ子政策が1979年から始まったが、その下で誕生した第1世代が2022年に満42歳を迎え、出産年齢はおおむね終わった。2人の親に1人の子なので、2世代進めば1人の子が6人(両親と2組の祖父母)を抱える構造になっている。

さらに最近は、中国の人口が14億人ではないのでは、という話も囁かれている。

中国は1人っ子政策のため、生まれてくる子の比率は男の子が圧倒的に多いというのはよく知られている。1人だけ産むなら男子をという思いから、人工中絶や間引きが暗黙裡に行なわれていた。

ここに来て、本来であれば2028年頃に起きるはずだった人口減少社会への突入が、すでに2020年前後から始まっていたのではないかという統計が出始めている。

もともとデータ自体がいい加減なうえ、データ改ざんも頻繁に行なわれている中国の特徴を鑑みると、この数字自体をどこまで信じていいのかはわからないが。2022年7月、上海の公安当局から中国の10億人分の個人情報が流出したというニュースが流れた。報道によると、氏名、年齢、住所、身分証番号、携帯電話番号、犯罪事案の状況などが記載されているという。

注目されたのは、このデータが10億~11億人ぐらいしかないこと。そのため、多くても11億人が本当の中国の人口ではないかと言われている。もし、それが事実であれば人口モデルが完全に狂う。

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