旅館業法、今国会見送りへ コロナ対策で宿泊拒否

首相官邸の外観=東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)
首相官邸の外観=東京都千代田区(鴨志田拓海撮影)

政府、与党は新型コロナウイルス感染症対策として衆院に提出した旅館業法改正案の今国会成立を見送る方向で調整に入った。感染症流行の際、感染が疑われるのに正当な理由なく感染対策を拒んだ客に対し、旅館やホテル側が宿泊拒否できるようにするのが柱。審議がまだ始まっておらず、10日の国会会期末までに成立させるのは困難と判断した。与党関係者が6日、明らかにした。

自民党の野上浩太郎参院国対委員長は6日の記者会見で、今国会中の審議開始は「現実的に厳しい状況だ」と述べた。

現行法は感染が明確な場合などを除き、宿泊を拒否できないと規定している。従業員の感染を懸念する業界団体から、柔軟対応を可能にする法改正の要望が上がっていた。改正案は、発熱など感染が疑われる人を対象に、条件付きで宿泊拒否できるようにした。

会員限定記事会員サービス詳細