英ホテルIHG「外資少ない」日本へ出店攻勢 vocoは来年5月

来年5月の開業を目指す「voco大阪セントラル」の客室イメージ(IHGホテルズ&リゾーツ提供)
来年5月の開業を目指す「voco大阪セントラル」の客室イメージ(IHGホテルズ&リゾーツ提供)

英ホテル大手、IHGホテルズ&リゾーツは29日、日本初進出の高級ホテル「voco(ヴォコ)大阪セントラル」(大阪市西区・全191室)について、来年5月の開業を目指すと発表した。IHGは昨年12月にも「ホリデイ・イン エクスプレス大阪シティセンター御堂筋」(同市中央区)を日本初出店。京都市で最高級ホテル「リージェント京都」「シックスセンシズ京都」を出す計画もあり、インバウンド(訪日外国人客)の回復を見すえて関西での出店を拡大する。

「voco大阪セントラル」は大阪メトロ四つ橋線本町駅と肥後橋駅の間の京町堀エリアに立地。大阪市内では旗艦店の「インターコンチネンタルホテル大阪」(同市北区)に次ぐグレードで、vocoは2018年にオーストラリアで出店以来、開業計画も含め世界で75軒とIHGで最も急速に拠点を広げている。

大阪のvocoは個性的なデザインなどに特徴があるライフスタイル型の施設としてグリルレストランやバー、会議室を設け、「ただ泊まるだけではないパーソナライズ(一人一人の顧客に合わせた)した体験を提供する」(宍倉大地・voco大阪セントラル総支配人)とアピールする。

会見するアビジェイ・サンディリアCEO=29日、大阪市北区(田村慶子撮影)
会見するアビジェイ・サンディリアCEO=29日、大阪市北区(田村慶子撮影)

この日、大阪市内で記者会見したIHG日本法人のアビジェイ・サンディリア最高経営責任者(CEO)はvocoについて、「旅行客が求めるすべてを備えているうえに遊び心もあり、アピール力が高い」として、ホテル間競争が激化する大阪でも「十分差別化できる」と自信を見せた。

さらにサンディリア氏は、全世界ではホテル数に占める外資系比率が平均20~25%に対し、日本ではわずか6%ほどにとどまっていると指摘。「グローバル市場に比べ外資系ホテルが非常に少ない」と日本では増やす余地が大きいことから、「大阪だけでなく日本全体でもっと展開したい」と意欲を示した。(田村慶子)

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