年末年始の海外旅行はコロナ前比2割 HIS、円安響く

エイチ・アイ・エス(HIS)は25日、2022~23年の年末年始の海外旅行は新型コロナウイルス前の同時期と比べて2割程度になりそうだと発表した。前回よりも回復したが円安進行や燃油高の影響もあり、国内旅行と比べると引き続き低調だ。人気の旅行先も韓国・ソウルやタイ・バンコクなど近場が目立った。
12月24日~23年1月3日を出発日とする自社の海外旅行予約を15日に調べた。21年と比べると政府による水際対策緩和の影響もあり19倍と大きく伸びた。ただ海外旅行の割高感を強める円安進行や、燃油サーチャージの値上がりもあり、19年比では2割程度にとどまった。出発日と帰国日の首位はそれぞれ、12月29日と1月3日だった。
平均単価も19万6700円と前年比3割上がったが、近場の海外旅行の割合が増えたため22年の夏休みと比べると1万7000円ほど下がった。人気の行き先では前年4位だったソウルが1位で、米・ハワイのホノルルが2位。タイ・バンコクと韓国・釜山が続く。
政府の観光支援策「全国旅行支援」や訪日外国人(インバウンド)で活況を呈する国内旅行と比べると海外旅行の戻りは鈍い。担当者は「世界の航空座席数と比べると日本の国際線は戻りきっていない」と指摘。今後は供給が増えることで緩やかに回復するとみる。来年以降の人気の旅行先としては「コロナ前に人気の高かった台湾に期待したい」と話した。