OTSサービス経営研究所(山田真久代表)とNTTコミュニケーションズ(丸岡亨社長)はこのほど、沖縄県恩納村に滞在する観光客向けにホテルや観光地を含むルートを回る乗合巡回バスの実証事業を始めた。12月31日まで週末を中心に運行。新型コロナ禍で減少しているレンタカーに代わる新たな移動手段を確立する狙いだ。乗車費無料で、観光客だけでなく地域住民も利用できる。

 名称は「恩納村ちゅらリゾート巡回バス」で、沖縄かりゆしビーチリゾート・オーシャンスパやハイアットリージェンシー瀬良垣アイランド沖縄、シェラトン沖縄サンマリーナリゾート、恩納村海浜公園ナビービーチなど村内の主要ホテルや観光地12地点を巡る。

 村内にはレストランが少ないため、地域住民のほか観光客も宿泊先以外のホテルを巡りランチやディナーを楽しむ傾向があるという。ただ各ホテル間は離れているため、巡回バス運行でこうした利用を後押しする。また、免許を返納した高齢者がバスを「地域の足」とするニーズなども調査し、県内他エリアでの展開も検討する。

 県内ホテルのレストランや観光施設が紹介されているサイト「おきなわCompass」に掲載されているQRコードをかざすと乗車できる。同サイトには村内の主要リゾートホテル併設のレストランやアクティビティを掲載し、巡回バスの情報も案内する。

 山田代表は「観光客に対し滞在ホテル以外のホテル移動機会を創出し、村内の観光を盛り上げたい」と期待した。(政経部・又吉朝香)