訪日旅行予約、海外で急増 人材不足が懸念材料に

東京・原宿を訪れた外国人観光客ら=15日午後
東京・原宿を訪れた外国人観光客ら=15日午後

水際対策の大幅緩和を受け、海外の旅行会社で訪日旅行の予約件数が急増傾向にあることが26日、分かった。日本政府観光局(JNTO)による海外事務所へのヒアリングで、そうした報告が相次いでいるという。年末に向けた12月のツアー予約が、ほぼ完売したケースもある。ただ、燃油高や観光人材の不足などが懸念材料となっている。

JNTOによると、水際対策緩和を受け、英国の旅行会社では来年の訪日旅行予約が急増。会社によっては「予約のボリューム(件数)が(新型コロナウイルス禍前の)2019年の水準まで来ている」と説明。シンガポールの旅行会社では、12月の東京行きツアーがほぼ完売。既に来年3~4月の予約販売が進んでいる。

米国やオーストラリアでもツアーの販売が急増する一方、両国と日本側の双方でスタッフが不足し、需要に対応しきれていないケースも起きているという。新型コロナ禍での人員削減が影響した形だ。

全体的には回復傾向にあるものの、世界的な景気減速に加え、航空で日本便の数が戻りきっていないことなどが本格回復の障害になっている。原油高に伴う燃油サーチャージの高騰もマイナス要因となった。(福田涼太郎)

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