中国で新型コロナ感染増加、検査強化へ リバウンド警戒の論評

中国で新型コロナ感染増加、検査強化へ リバウンド警戒の論評
 10月11日、中国では新型コロナウイルスの感染拡大を受けて上海などの大都市が検査を再び強化している。写真は新型コロナの検査のために並ぶ人々。上海で10日撮影(2022年 ロイター/Aly Song )
[北京 11日 ロイター] - 中国では新型コロナウイルスの感染拡大を受けて上海などの大都市が検査を再び強化している。
感染者は今週に入り8月以来の水準に増加。今月初旬の国慶節の連休で国内旅行が増えた。
上海の10日の新規感染者は28人と、4日連続で2桁を記録。全国の感染者は2089人で、8月20日以来の高水準を記録した。
感染者は、内モンゴル自治区の景勝地など観光地に集中しているが、今週に入り大都市での感染も増えている。
上海市政府は10日遅く、16地区全てで住民の定期検査を11月10日まで少なくとも週2回実施すると表明。現在の週1回から検査を増やす。旅行者やホテルなどの検査強化も指示した。
同国に住むある英国人は外出中に自宅マンションが48時間封鎖されたことを知り、ホテルにチェックインしたが、このホテルも感染者が見つかり封鎖された。その後、自宅マンションの封鎖期間も延長され、家族が離れ離れで暮らしているという。
人民日報は11日の論評記事で「大規模なリバウンドが起きれば、感染が拡大し、経済・社会に深刻な影響が出る。最終的な代償は高くつき、損失は拡大するだろう」と指摘した。
野村によると、10日時点で36都市がさまざまな程度のロックダウン(都市封鎖)や規制を導入している。影響を受けている人は1億9690万人で、前週の1億7970万人から増加した。
深センの10日の新規感染者は33人で、前日の10人から急増。同市政府は11日、市内に入る旅行者が3日間で3回の検査を受けることを明らかにした。
西安では今月1─10日に100人強の感染が報告され、11日に学校の対面授業が中止された。有名な観光スポットである兵馬俑博物館など多くの公共施設が閉鎖された。
米資産運用会社クロックタワー・グループのアナリストは「(共産党大会を控えており)厳格なコロナ規制の導入は一時的なものに終わる可能性が高い」とした上で、人民日報の論評記事は大きな懸念要因だとし「大幅な政策調整はまだまだ先かもしれない」と述べた。
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