エアウィーヴ、JAL機内用寝具を再生
寝具メーカーのエアウィーヴ(東京・千代田)は、日本航空(JAL)の機内向けに提供するマットレスパッドを回収し、再び商品に加工する「水平リサイクル」の取り組みを年内にも始めると発表した。すでに導入している約8200枚のマットレスパッドを回収して再製品化し、順次交換する。事業者同士で連携することで、寝具の低いリサイクル率の向上を図る。
エアウィーヴのマットレスパッドは、樹脂繊維を複雑に編み込んだエアファイバーと呼ぶ独自素材で作られている。回収したマットレスパッドはカバーとエアファイバーに分けられる。エアファイバーは工場で洗浄した後、熱を加えて溶かし、ペレット状のリサイクルポリエチレンに加工。新品のポリエチレンを混ぜ、再びエアファイバーに成形する。
洗浄やペレットへの再加工の手間がかかるため、価格は従来品と比べて2~3割程度高くなるという。
エアウィーヴは2013年1月からJALの国際線ビジネスクラスの座席向けにマットレスパッドを提供しており、これまでに約8200枚を導入した実績を持つ。
複数の素材が組み合わさっていて解体が難しいことなどから、寝具のリサイクルは進んでいない。粗大ゴミとして廃棄されることがほとんどで、エアウィーヴによると寝具のリサイクル率は2%以下だという。
エアウィーヴの高岡本州会長兼社長は「(寝具のリサイクルは)事業者だけで推し進めることは難しい。利用者や行政のサポートが必要だ」と話した。