廃業した銭湯を改装、古民家は宿泊施設やレストランに…徒歩圏に点在する「ホテル」開業へ

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 江戸時代中期以降の町並みが残る奈良県御所市の「御所まち」で、「GOSE SENTO HOTEL」(銭湯ホテル)が10月下旬に開業する。廃業した銭湯の再生を中心に、古民家を宿泊施設やレストランへ改装。日帰り観光客が多い御所で、宿泊施設などの拠点を整備することにより、滞在型観光につなげる狙いだ。関係者は「歴史と文化を持つ御所まちの魅力を感じてもらいたい」と期待している。(浜井孝幸)

改装された宝湯と番頭の太田さん(奈良県御所市で)
改装された宝湯と番頭の太田さん(奈良県御所市で)

 「お風呂は全ての年齢層に開かれた場所。地域内外の人たちが出会い、会話が生まれたらいいですね」。開業に向けた準備が進む「御所宝湯」の番頭を務める太田有哉さん(27)は笑顔を見せた。

 2008年に廃業した銭湯「宝湯」を改装し、水回りの工事やフィンランド式サウナの設置、壁には金剛山や葛城山の銭湯絵も描かれた。一方で湯船のタイルやアーチ形の天井といった昔ながらの風情は残した。広さは延べ床面積約220平方メートルで、男女ともに10人ほどが同時に入浴できる。

 太田さんは宇陀市出身。会社員をしていたが、「子どもの頃から憧れていた銭湯の仕事をしたい」と退職。大津市の銭湯に住み込むなどして、煙突や浴場の掃除といった日々の業務、経営を学んだ。知人の紹介で宝湯で働くことになった。

 1916年創業とされる宝湯は、長く地域の人に親しまれてきたが、経営者の高齢化などで廃業。2017年に別の銭湯も廃業したことで御所市内から銭湯が姿を消した。市の人口は2万4216人(8月末時点)で、20年前から約1万人が減少。御所まちでも空き家が増加している。

 そこでかつての憩いの場だった銭湯を再生し、歴史のある建物を生かした街づくりを進めようと、古民家再生を担う会社「NOTE奈良」(奈良市)などが21年8月に会社「御所まちづくり」を設立した。昨冬から開業に向けて工事を進めてきた。

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3371182 0 経済 2022/09/26 18:30:00 2022/09/26 18:30:00 2022/09/26 18:30:00 https://www.yomiuri.co.jp/media/2022/09/20220926-OYT1I50043-T.jpg?type=thumbnail

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