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ホンダジェット、地域の足に 車と乗り継ぎ移動サービス

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ホンダは2023年中にビジネスジェット機「ホンダジェット」を使った移動サービスを国内で始める。従来は企業などが購入やリースで自社のビジネス目的に利用するのが主だった。車やバイクとセットにしてスマートフォンのアプリなどで一括して予約や決済ができるのが特徴だ。定期便が少ない地方空港間での活用を狙い、地域の便利な足にして経済活性化にもつなげる考えだ。

21日、新サービスの説明会を熊本県などで開いた。10月に実証実験を始める。ホンダ自身がサービスの事業主体となって今後、23年までに正式に提供する地域を選び、連携する企業などを決める。

まずは法人向け需要を開拓する。企業の出張や旅行などでの団体利用や医療機関が主催する医療ツーリズムなどに照準を合わせる。将来的には個人向けの旅行などにも使えるようにする構想だ。組む相手は地方の鉄道やバス会社、観光会社、自治体などを想定している。

ビジネスジェットを借り上げてサービスを提供する国内他社の場合、使用料は1時間あたり100万~150万円かかる。ホンダは競合以下の価格での提供を目指す。時間帯や混み具合で料金が変動する「ダイナミックプライシング」も導入検討中だ。同事業を担当する井上大輔チーフは「ジェットをより身近な乗り物にしたい」と話す。

車や鉄道などをアプリなどで一括予約できて利便性を高めた総合的な移動サービス(MaaS、マース)にビジネスジェットを組み合わせるのは日本初。世界でもまだ珍しいサービスだ。ホンダは国内を皮切りにアジアでの展開も視野に入れる。

ジェットの予約はスマートフォンの専用アプリなどでの受付を想定し、1日前まで変更できる。自社の車のシェアサービス「エブリゴー」や二輪の同様のサービスなどと一緒に予約したり決済できたりする。近中距離でジェットに乗り、空港外では車や二輪で移動したり観光できたりする仕組みだ。

ホンダは自社でジェット機を保有するほか、グループ会社で運航を担うのが強みだ。他社のジェット機借り上げサービスの場合、機体を外部調達していたり、運航を外部委託したりするため、予約締め切りは利用日の1週間程度前と使い勝手が悪い。

説明会では記者も体験搭乗した。二輪製造のホンダ熊本製作所(熊本県大津町)から熊本空港(同益城町)まで車で移動し、空港から本田航空大分事業所(大分県国東市)までジェットを使った。

「もう離陸したの」。音は静かで空でも小型機特有の揺れはほとんど感じない。一般の航空機よりは狭いが、2人ずつが向かい合って座ることができ、足を伸ばせる程度の広さがある。

大分事業所から車部品製造のホンダ太陽(大分県日出町)まで車で移動した。熊本と大分の拠点間を車だけで移動すると、通常は2時間強かかるところ1時間半で済んだ。日本は山がちな地形で道路も迂回するため、近距離でもジェットを使うと移動時間を短縮できることが多い。定期便の航空機で移動する場合、空港で搭乗手続きや保安検査が必要だがビジネス機なら不要だ。

新サービスで使う機体「ホンダジェットエリート」は乗客定員は6人。航続距離は約2700キロメートルだが、実際の運用では本州を縦断できる程度になる。ホンダジェットは購入に7億~8億円がかかる。これまでに国内累計で10機を販売した。

インドの調査会社マーケッツアンドマーケッツと、グローバルインフォメーションによると、ホンダジェットを含む「中型」のビジネスジェットの世界市場は、30年に21年比2倍の107億ドル(約1兆5000億円)に拡大する。

国土交通省調べでは、20年末時点でビジネスジェット機の保有機数は米国が約2万2000機、ドイツが783機、英国が525機だった。日本は59機にとどまっており、ホンダも国内市場の成長余地は大きいとみている。

国交省によると、国内には国や企業、地方公共団体などが管理する空港が97ある。ただ新型コロナウイルス禍の影響で定期便の発着は減少。国交省試算では20年度に国が管理する19空港のEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)の合計が533億円の赤字と苦境だ。

自治体はビジネスジェットの誘致で空港や地域経済の活性化を狙う。山梨県の長崎幸太郎知事は5月下旬、県内に小型航空機専用の空港を新設する可能性を検討すると明らかにした。同県は現時点では空港はないが、小型機などが離着陸できる滑走路を設けることを想定している。

今回、ホンダジェットの離陸地となった熊本県も「企業と協力してジェットの取り組みを広げていきたい」(交通政策課の地下良広課長補佐)と話す。

国交省が21年にまとめた試算によると、国内のビジネスジェット市場が2倍に拡大した場合、関連産業の経済効果は約7400億円に及ぶ。観光消費や移動時間短縮での業務効率化なども含めると、効果はさらに膨らむ可能性がある。

ホンダジェットは16年に事業化してから、世界で近中距離のビジネス需要を開拓してきた。累計200機超を販売し中型以下のジェット機販売では21年まで5年連続で首位を維持する。翼の上にジェットエンジンを配置し客室空間を広めに確保するなどの独自の設計や車で培ったコスト削減手法が生きた。

世界の航空機や旅客サービスはコロナ禍による需要低迷で競争が激しい。新しい移動サービスで裾野が広がれば収益にも貢献する。ホンダのジェット事業は近く営業黒字化する見通しだ。(田辺静、白井咲貴)

NIKKEI Mobility

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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