ベトナムFLC株、9日に売買停止へ 開示規則違反で
【ハノイ=大西智也】ベトナムのホーチミン証券取引所は、創業者の逮捕など経営の混乱が続く新興財閥、FLCグループの株取引を9日に停止する。情報開示規則の違反が理由で、今後上場廃止処分になる可能性もある。
FLCグループは不動産を中核とした複合企業で傘下に国内航空3位のバンブー航空を持つ。創業者で会長だったチン・バン・クエット氏は3月末、自社株取引に絡んだ株価操作などの疑いで逮捕され、親族ら幹部もその後逮捕された。FLCは2022年の定時株主総会を開けておらず、21年の監査済み財務諸表などの情報も開示できていないという。
FLCは既に株取引が午後のみに制限されている。同社の株価は今年1月に付けた上場来高値から8割超下落している。グループ企業のうち、FLCファロス建設は情報開示の規則に違反したとして5日付で上場廃止になった。
FLC傘下のバンブー航空はベトナム航空、ベトジェットエアに次ぐ国内3位の航空会社。19年に運航を始め、急速に国内でのシェアを高めており、米国路線の就航も検討している。
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