タイ老舗ホテルの食品子会社、PTT系が出資 販路拡大
【バンコク=井上航介】タイの老舗ホテルチェーン、デュシット・インターナショナルは、食品子会社が政府系の給油所最大手PTTオイル・アンド・リテール・ビジネス(PTTOR)から出資を受け入れると発表した。デュシットはPTTORが運営する給油所や飲食店などを通じ、食品の販売拡大につなげる。
PTTORは最大約2億9960万バーツ(約11億円)を出資し、デュシットの傘下で食品製造を手がけるデュシット・フーズの株式25%を取得する。
PTTORは給油所のほか、「カフェ・アマゾン」のブランドで展開するコーヒー店やファストフードなどの飲食店を約4000店展開する。デュシットはこれまでグループ内のホテルを中心に食品を販売してきたが、今後はPTTORの店舗での商品販売を検討する。
デュシット・インターナショナルのスパジー・スタンパン最高経営責任者(CEO)は声明で「PTTORの小売りのネットワークと我々の食品ビジネスにおける専門知識を生かして、多様なニーズに応える」とコメントした。
デュシット・インターナショナルは近年、食品事業を強化している。5月下旬にはタイ東部ラヨーン県でベーカリー工場を運営するポートロイヤルなど3社を買収すると発表している。