カリフォルニアで大規模山火事 2000人避難、死者も
【シリコンバレー=佐藤浩実】米国で大規模な山火事が頻発している。カリフォルニア州北部で発生した森林火災は1日朝までに225平方キロメートルに広がり、同州で今年最大となった。2人が死亡し、約2000人が避難を余儀なくされている。観光地のヨセミテ国立公園周辺でも火災が起きたばかりで、熱波や乾燥による被害の拡大が目立っている。
カリフォルニア州の森林保護防火局によると、「マッキニー・ファイア」は7月29日に北部シスキュー郡の森で発生した。乾燥した木々をつたって炎が広がり、1日朝までに大阪市とほぼ同じ面積が燃えた。7月22日にヨセミテ周辺で起きた「オーク・ファイア」の延焼面積(78平方キロメートル)を上回り、同州で年明け以降に発生した山火事で最も広範囲に及んでいる。
州によれば避難対象の住民は約2000人にのぼり、ニューサム知事は7月30日に非常事態を宣言した。落雷や強風が消火活動の妨げになっており、さらに被害が広がるおそれがある。郡の保安官事務所は1日、火災発生地域で見つけた車の中で2人が死亡しているのを確認した。
カリフォルニア州は近年、山火事の被害に悩まされ続けている。2018年にビュッテ郡で起きた「キャンプ・ファイア」では85人が亡くなり、歴史的な惨事となった。複数の落雷をきっかけに発生した20年の「オーガスト・コンプレックス」では、4200平方キロメートル近い面積が燃えた。22年も気温の高まる夏を迎え、火災の発生頻度は高まっている。
米国では他の州でも、熱波や乾燥、干ばつの深刻化に伴う山火事が相次ぐ。全米省庁合同火災センター(NIFC)によると1日時点で、西部にあるアラスカ州やニューメキシコ州、アイダホ州などで55件の大規模火災が発生している。年明けからの野火の発生数は全米で3万9000件を超え、延焼面積は2万3000平方キロメートルに及ぶ。
一方で、中東部ケンタッキー州では大雨による洪水被害の深刻さが増している。気候変動の影響で、自然災害が起こりやすくなっているとの指摘がある。