シンガポール航空、4~6月最終黒字回復 362億円
【シンガポール=谷繭子】シンガポール航空が28日発表した2022年4~6月期の連結決算は、最終損益が3億7千万シンガポールドル(約362億円)の黒字だった。最終黒字は2四半期ぶり。4月に同国政府が新型コロナウイルス対策の入国規制を大幅に緩和し、旅客需要が急回復した。営業利益は5億5600万シンガポールドルと、四半期ベースで同社史上2番目の高水準だった。
売上高は39億1100万シンガポールドル。前年同期の約3倍に膨らみ、1~3月比で58.2%増えた。旅客数(格安航空子会社のスクート含む)は510万人と、1~3月の2.6倍。利用者数・稼働率は幅広い地域で好調だったが、厳しい入国規制が残る中国や日本などの東アジア路線は伸び悩んだ。
シンガポール航空は一部路線で入国規制を緩和した21年10~12月期に、新型コロナの感染拡大後初めて四半期ベースで黒字を回復した。しかし、燃料費の高騰を受けて22年1~3月は再び最終赤字に転落していた。
今後の業績の本格回復で重荷になりそうなのが原油高に伴う燃料価格の高騰だ。4~6月の燃料費は前年同期の3.5倍になり、1~3月比で70.6%増えた。
年末の休暇シーズンに向けた事前予約について、同社は「力強い」としている。ただ、主要市場である欧米などのインフレは引き続き懸念要因で「利上げによる経済成長の鈍化が旅行需要回復のリスクだ」とみている。