JTB、長崎の離島でエコな遊覧飛行 バイオ燃料機利用
JTBは14日、バイオ燃料を使った遊覧飛行など環境への負荷に配慮した長崎県の離島ツアーを発売すると発表した。4日間の行程で、再生可能エネルギーを利用するホテルに宿泊する。旅行が地域や環境に悪影響をもたらす「観光公害」を減らすため、航空会社やユーグレナと組むことで持続可能な旅行を模索する。
出発日は9月20日で、7月15日から販売する。長崎空港に集合した後、五島列島の福江島に向かう。2日目に長崎県に拠点を置く地域航空会社オリエンタルエアブリッジ(ORC、長崎県大村市)が特別運航する遊覧飛行で約40分間福江島上空を巡る。料金は2人1室の場合、1人あたり49万円。
遊覧飛行時にはユーグレナが製造する、植物などを原料としたバイオ燃料を使う。使用時はCO2を排出するが、原料となる植物や藻類が製造時に光合成によってCO2を吸収しているため、サプライチェーン全体での環境負荷を低減できるという。宿泊するホテルは8月開業予定の再生可能エネルギーを利用する「五島リトリートray」を選んだ。
新型コロナウイルス感染拡大前には人気観光地への一極集中が観光公害につながるケースもあった。また航空機の脱炭素化は世界共通の課題だ。JTBは「今回得る知見をもとに、脱炭素社会や離島振興を通した持続可能な観光に向けた検討を続けたい」としている。
SDGsは「Sustainable Development Goals」の頭文字をとった略語で、国連サミットで2015年9月、全会一致で採択された世界共通の行動目標。国や民間企業の取り組みに関する記事をお読みいただけます。