ビジネスホテル建設が予定されている旧県繊協ビルの跡地=7月12日、福井県福井市大手3丁目

ビジネスホテル建設が予定されている旧県繊協ビル跡地

 福井県福井市大手3丁目の県繊協ビルの南側敷地に建設予定のビジネスホテルを巡り、敷地を管理する同ビル同業会に対し、建設主体の事業者が今夏予定だった着工の2年延期を申し入れていることが7月12日、分かった。資材価格高騰による建設費の増大が理由。同業会は早期着工を求めて交渉する方針だが、来年12月開業の計画が遅れる可能性が出てきた。

 県繊協ビルは老朽化のため建て替えられ、昨年11月に新しい10階建てビルがグランドオープンした。旧ビル跡地は、大名町交差点沿いにホテル、隣に立体駐車場の建設が計画されている。ホテルの事業スキームは、鹿島リース(東京)が建設し、共立メンテナンス(同)が和風ビジネスホテル「御宿野乃(おんやどのの)福井」(地上10階建て、150室規模)を運営する。同業会は業者側と2019年10月に敷地の賃借に関する仮契約を交わした。

 当初は今年5月に着工、来年10月開業のスケジュールだったが、旧ビルの解体撤去工事が長引き、8月着工、来年12月開業に変更していた。同業会によると、鹿島リースと30年間の事業用定期借地権の正式契約を控え、同社側から6月上旬に「着工を2年をめどに先送りしたい」と文書で申し入れがあったという。

 業者側の関係者は、着工延期について「資材価格高騰を受け、仮契約した時点と比べて建設投資が大きく上振れし、採算面が合わない状況。資材価格の落ち着きを待つのと、事業や契約の内容変更も含めて検討する時間がほしい」と説明。着工のめどが立てば、2年を待たずに着手したい考えという。

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 同業会は現在、申し入れに対する回答を検討しており、事務局は「少しでも早く着工し、確実にホテル事業を実施してくれることをお願いしていく方向」と話した。

 立体駐車場は8月着工、来夏の完成予定で順調に進んでいるとしている。