需要が高まり過ぎて… ヨーロッパの大手航空会社2社は、最も安い航空券の販売を制限

ルフトハンザ

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  • ルフトハンザ航空とエールフランスKLMは、空の旅の混乱を落ち着かせるために最も安い航空券の販売を制限している。
  • 夏も運航便数を大幅に減らすという。
  • 航空会社は混乱の原因に対処するための新たな方策を見つける必要に迫られている。

人手不足などの問題が続く中、ヨーロッパの大手航空会社ルフトハンザ航空とエールフランスKLMは、需要を減らすために最も安い航空券の販売を制限しているとフィナンシャル・タイムズが報じた

人員不足、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の罹患率の高さ、物資不足などが空の旅の混乱を招いている。

ルフトハンザ航空は先週、数日分の最も安い航空券の販売を一時停止し、これまでにフライトの混乱の影響を受けた乗客が予約を取り直せるようにしたと、フィナンシャル・タイムズは伝えている。同社は7月8日に制限を解除した。

エールフランスKLMは、アムステルダムーロンドンといった短距離フライトの航空券の価格を通常よりも大幅に値上げしている。フィナンシャル・タイムズによると、7月8日時点でアムステルダムーロンドンの往復料金は約850ドル(約11万6000円)と、通常の170ドル程度から大きく値上がりしているという。

「航空業界全体が苦しんでいます。航空会社、空港、サプライヤー、航空管制だけでなく、世界中のシステム全体がこれまでに経験したことのないような危機に直面しています」とルフトハンザ航空のCEOイェンス・リッター(Jens Ritter)氏は7月8日、リンクトイン(LinkedIn)の投稿で述べた。

空の旅への需要はパンデミック前に比べて、今年初めが約30%だったのに対し、この夏は90%まで急激に高まっていて、リッター氏は「ありえない」「圧倒的な」状況だと指摘した。

ルフトハンザ航空は需要を落ち着かせるため、7月のドイツ国内での運航便数を減らした。

その要因として、リッター氏は「地上スタッフの不足、COVID-19の罹患率の高さ、物資不足、人員不足またはウクライナでの戦争の影響で逼迫している空域」を挙げた。

ただ、政府からの財政支援や一時帰休のスタッフへの給与支援を受けたアメリカとヨーロッパの航空会社が、なぜ旅客需要の回復にもっとうまく対応できなかったのか、疑問の声も多い。

Insiderはルフトハンザ航空とエールフランスKLMにコメントを求めたが、回答は得られなかった。

[原文:Two of Europe's biggest airlines stop selling their cheapest tickets to reduce demand for flights

(翻訳、編集:山口佳美)

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