HIS、最終黒字60億円に上方修正 24年10月期
エイチ・アイ・エス(HIS)は15日、2024年10月期の最終損益が60億円の黒字(前期は26億円の赤字)になりそうだと発表した。従来予想から8億円上方修正した。主力の海外旅行事業の回復が想定を上回るほか、収益性が高いホテル事業もインバウンド(訪日外国人)需要が好調に推移する。
営業利益は7.2倍の100億円と10億円引き上げた。セグメント別の営業利益で旅行事業とホテル事業を5億円ずつ上方修正した。ホテル事業はインバウンド需要を取り込み客単価が従来想定よりも高くなる。販管費の抑制も寄与する。年度後半の動向を保守的に想定し売上高は従来予想(39%増の3500億円)を据え置く。
同日発表した23年11月〜24年1月期の連結決算は、最終損益が25億円の黒字(前年同期は35億円の赤字)だった。第1四半期の黒字は新型コロナウイルス禍前の19年11月〜20年1月期以来、4年ぶり。
売上高は75%増の805億円、営業損益は34億円の黒字(前年同期は34億円の赤字)だった。ホテル事業は国内市場が好調に推移したことに加え、台湾のホテルが人流の回復により稼働率と客単価がともに上昇した。部門別では旅行事業、ホテル事業、九州産交グループ、愛知県のテーマパーク「ラグーナテンボス」を含むその他事業の全てで営業黒字だった。
海外旅行取扱高(旧会計基準ベース)は588億円と19年同期の7割の水準だった。一方で燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)や為替の円安の影響を受けにくい韓国旅行は19年同期を上回った。
国内旅行取扱高は19年同期の9割だった。前年同期比では2割減だった。政府の観光支援策「全国旅行支援」の反動減や、暖冬によるスキー場の開業の遅れが影響した。