沖縄県石垣市、遊休タクシー活用しライドシェア 4月に
九州ドライバー危機
沖縄県石垣市は、普通免許を持つ一般ドライバーが有償で客を運ぶライドシェアサービスを4月から始めると発表した。原則禁止されていた同サービスについて同月からの限定解禁を表明した政府方針を踏まえたもので、「石垣版ライドシェア」は一般ドライバーが地元タクシー会社と雇用契約を結び、遊休車両を活用してサービスを提供する。市は円滑なサービス導入を制度面からサポートする。
中山義隆石垣市長は、政府が自家用車の使用を打ち出していることに言及。「遊休タクシーなら自家用車によるサービスと客を奪い合うことにはならない。ライドシェアの多様な形を議論するきっかけにしたい」と語る。
政府は法改正を含む全面解禁の是非について6月までに判断する。市はライドシェア向けタクシーの台数やドライバーの人数、市のサポート内容などについて詳細を詰める。さらに県ハイヤー・タクシー協会と連携しつつ、遊休車両の台数把握やドライバーの募集方法を検討する。運転手向けのマナー研修なども行う考えだ。
サービスの対象地区は、路線バスの本数が少ない公共交通の空白地帯だけでなく、クルーズ船が到着した際などに需要が急激に増す市中心部での活用も念頭に置く。夜間サービスも検討する。
運輸要覧によると、石垣市を中心とする八重山地域での22年度のタクシードライバーは291人。高齢化や新型コロナウイルス禍による離職により18年の361人から2割減少し、タクシー不足が深刻化していた。
一方、23年の石垣市への入域観光客は118万人で、19年以来の100万人超えとなった。空港やホテル、ビーチなどを結ぶ交通網の強化が同市の課題として指摘されている。
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