アドベンチャートラベルの国際商談会、北海道で開幕

カヌー体験を楽しむ参加者=11日午後3時20分ごろ、北海道札幌市(坂本隆浩撮影)
カヌー体験を楽しむ参加者=11日午後3時20分ごろ、北海道札幌市(坂本隆浩撮影)

観光分野における世界最大級の国際商談会「アドベンチャートラベル・ワールドサミット」(ATWS)が11日、北海道で開幕した。14日までの4日間、約60カ国から参加した旅行業関係者ら約800人が商談を行うとともに、日帰りツアーなどに参加して新たな商品を発掘する。アジアでのリアル開催は今回初めてで、日本の関係者も魅力を発信する絶好の機会ととらえ、積極的にアピールする考えだ。

初日の11日は北海道で31の体験ツアーを実施。札幌市中央区のテレビ塔を自転車でスタートしたツアーは、約30人が参加し、北海道の景色を楽しみながら豊平川沿いのサケ科学館やアイヌ文化交流センターを見学。カヌー体験などのアクティビティーも楽しみながらツアー商品としての魅力を探っていた。

12日以降は札幌市豊平区の札幌コンベンションセンターでオープニングセレモニーや基調講演、分科会などを開催。同日夕方には、同市中央区の大倉山ジャンプ競技場を会場に鈴木直道北海道知事ら地元関係者も出席して歓迎レセプションが行われる。

大会終了後の15日には、北海道の宗谷、上川、釧路、十勝の4コースで3泊4日のポストサミット・アドベンチャーも開かれる予定。

アドベンチャートラベル(AT)は▽アクティビティー▽自然▽文化体験―の3つのうち、2つ以上で構成される旅行のこと。欧米やオーストラリアの富裕層を中心に年々需要が拡大しており、世界的な市場規模は70兆円を超える。

AT旅行者の観光消費額は一般旅行者よりも客単価が高く、サービス提供地域における経済効果とともに地域の雇用創出効果なども期待できる。

北海道などによると、道内の観光消費額は令和元年度で道内客1人あたり約1万3千円、道外客約7万円、外国人観光客約13万9千円。同商談会を主催する国際団体アドベンチャートラベル・トレード・アソシエーション(ATTA)の公表資料から算出されたAT旅行者の推計消費額は約35万円。アジアにおけるAT事業はほぼ未開拓の状態で、将来的に市場規模が拡大していけば高い経済効果が見込まれる。中でも北海道は豊かな自然や食文化がアジア圏でも大きな魅力で、AT市場の広がりに対する期待は大きい。

北海道もAT旅行者の受け入れ体制を整える狙いで、今年度から北海道アドベンチャートラベルガイド等認定制度を導入。今月4日に11人を認定するなど、積極的な支援を進めている。

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