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外国人に紹介したい日本の文化10選!注目されるポイントを徹底解説

「日本文化の魅力や独自性って一体どこにあるのだろう」「ぜひとも外国人に紹介したい日本の文化って一体なんだろう」というように、外国人に対してどう日本文化をPRして良いのかがわからない方もいることでしょう。

旅行業界で権威のあるアメリカのコンデナスト・トラベラー2023において、日本は「世界で最も魅力的な国」ベスト1に選出され、世界中の旅行者から非常に魅力的な旅行先として評価されました。

ただし、普段から日本で生活している私たちにとっては、「一体なにがそんなに魅力的なのか?」と疑問を抱き、いざ外国人に日本文化を紹介しようとしても困ってしまうことがあります。

そこでこの記事では、海外滞在歴が長く外国人との交流も多い筆者が、外国人の間で日本文化が人気を得ている理由やおすすめの日本文化、日本文化を紹介する際に気を付けたい3つのポイントについて詳しくご紹介します。

外国人に日本文化を紹介したいけど、何をどう紹介すべきか悩んでいる方は参考にしてみてください。

日本文化が外国人の間で人気がある4つの理由

日本文化が外国人の間で人気がある背景には、以下のような理由があると考えられます。

  1. 日本固有の歴史や文化が感じられる
  2. 四季の移ろいを楽しめる
  3. 治安が良くて街が清潔に保たれている
  4. アニメや漫画などのサブカルチャーが魅力的

ここでは、これらの具体的な理由について確認していきましょう。

1.日本固有の歴史や文化が感じられる

日本には旧石器時代や縄文時代から脈々と続く歴史や信仰、文化が根づいています。UNESCOに登録されている世界遺産は26個。2024年時点で世界遺産の数が世界第11位にランクインしています。北は知床から南は奄美大島・西表島にいたるまで、日本各地に貴重な自然・文化遺産が点在しているのです。

また、日本は天皇が国の象徴である珍しい国で、大規模な神社仏閣も数多く残っていますね。外国人にとっては先進国でありながら、歴史や文化、伝統を感じられる魅力的な国なのでしょう。

歴史や文化が好きな外国人には、京都や奈良などの歴史・文化遺産が数多く残っている街を見せるのも良し、都会的な暮らしに興味がある外国人には、東京や大阪などの大都市を見せるのも良しです。都会的な部分と歴史・文化を感じられる部分が共存しているのも、日本の魅力の一つです。

2.四季の移ろいを楽しめる

日本は春夏秋冬の区切りがハッキリとある国です。春には満開の桜を見ながら花見をし、夏にはマリンスポーツや海水浴が楽しめ、秋には色とりどりの紅葉を満喫でき、冬は場所によっては数メートルにもなる積雪や天然のパウダースノーの上をスキー・スノーボードで楽しめるのが特徴です。

また、日本は季節の味覚も豊富。春には桜の風味が口いっぱいに広がる桜もち、夏にはキンキンに冷えたかき氷や脂の乗ったウナギに舌鼓を打ち、秋には栗やさつまいも味のスイーツが食べられ、冬にはすき焼きやちゃんこ鍋のような欧米圏にはない鍋料理が楽しめます。

このように、四季折々の楽しみ方が見つかる日本は、何度でも旅行したい国ともいわれています。

3.治安が良くて街が清潔に保たれている

日本は非常に治安が良い国として認知されています。経済平和研究所が発表した2024年版の世界平和度指数によれば、日本は世界第7位の治安の良さと発表されています。全体ランキングは以下のとおり。

  • 1位:シンガポール
  • 2位:アイスランド
  • 3位:ノルウェー
  • 4位:スイス
  • 5位:フィンランド
  • 6位:デンマーク
  • 7位:日本
  • 8位:スロヴェニア
  • 9位:カタール
  • 10位:韓国

北欧の国々や東アジアの国々が治安の良さで見ると上位を占めているようです。2023年度調査では日本は世界第2位を記録しており、世界治安ランキングの上位によく登場するような国となっています。

誰しも旅行中に財布やスマホ、パスポートが盗まれるリスクは避けたいもの。日本は街中の治安が良く、貴重品の盗難リスクについて考える必要がないため、外国人にとって魅力的に映るようです。

また、街中にあまりゴミが落ちておらず、東京や大阪のような大都市圏が比較的清潔な点もプラスの要素ですね。

4.アニメや漫画などのサブカルチャーが魅力的

日本はアニメや漫画、コスプレ、メイド喫茶など、サブカルチャーが有名な国です。

海外のNetflixでも、日本のアニメコンテンツが数多く放映されています。漫画喫茶やメイド喫茶など、日本文化を輸入した飲食店やアニメショップも国によっては数多く営業しているのが現状です。

このように、世界中で大人気の日本のサブカルチャーを目当てに、多くの外国人が日本を訪れます。自然遺産や歴史・文化遺産だけでなく、アニメや漫画が有名で現代的な側面も楽しめるのが日本の魅力。外国人に日本を紹介するなら、サブカルチャーにスポットをあててみるのも良いでしょう。

アニメや漫画の舞台になった場所を聖地巡礼したり、コスプレ体験やコミケに参加したりと、旅行者の趣味に全振りした日本旅行のプランを考えるのもおすすめです。

外国人に紹介したい!定番の日本文化5選

外国人に紹介したい定番の日本文化には、以下の5つが挙げられます。

  1. 温泉
  2. 歌舞伎・能楽
  3. 茶道
  4. 芸者・舞妓
  5. 書道体験

ここでは、これらの日本固有の文化について詳しく見ていきましょう。

1.温泉|日本固有の温浴文化を体験できる

日本は活火山が多く、地表から温泉が湧き出てくる源泉数が世界一(27,000ヶ所以上)をほこります。

現存している最古の歴史書「古事記」「日本書紀」「風土記」にも頻繁に温泉の記述が登場し、愛媛県の道後温泉・和歌山県の白浜温泉・兵庫県の有馬温泉が日本三古湯と呼ばれているそうです。

そんな温泉大国の日本には世界中から温泉好きが集まってきます。特に大分県(別府)・鹿児島県(霧島)・北海道(標茶町)は源泉数が豊富で、源泉かけ流しの温泉も多いですよ。

温泉文化に育まれた日本では、プライベート温泉の家族風呂を楽しめる温泉施設や客室露天風呂付きの旅館などがあり、近年では大自然の中で北欧式のロウリュサウナを楽しめる施設も増えつつあります。

日本の伝統文化を外国人に伝えるなら、外せない日本ならではの文化のうちの一つです。

参考:日本温泉協会 温泉名人「温泉の歴史(古代)※奈良時代~平安時代」

2.歌舞伎・能楽|日本の最新の伝統演劇を見られる

歌舞伎と能楽はどちらも日本を代表する伝統芸能です。

歌舞伎は、戦国時代末期〜江戸時代にかけて京都を中心に発展した伝統舞踊。派手な格好や普通では考えられないような行動など、それまでの舞踊には無かった斬新なスタイルで一世風靡したことに端を発します。女性が踊る女歌舞伎なども人気を博しました。

現在では江戸時代の伝統や雰囲気は残しつつも、現代的な要素を取り入れた現代風の歌舞伎もあります。外国人に紹介する日本の伝統文化として、現代歌舞伎を紹介するのはベストな選択肢でしょう。

能楽は室町時代から650年以上続く日本の伝統芸能です。UNESCOの無形文化遺産にも登録されています。能楽は、仮面をつけた演者が簡素な動きで感情を表現する演目の「能」、中世の庶民の日常生活を明るく描いたセリフが中心である演目の「狂言」の2種類から構成されています。日本らしい「静」と「動」の様式美を感じられる、舞台演劇だといえるでしょう。

3.茶道|日本式の立ち振る舞いのルールを学べる

茶道は伝統的な様式・ルールに則り、主人が客人に対してお茶を振る舞う芸道です。唐の時代に中国から体系的な茶の知識が伝来し、奈良時代〜平安時代には一般的に広がりました。

その後、村田珠光が主人と客人の精神的な交流を重んじる「わび茶」を成立。千利休が「わび茶」「茶の湯」を完成させました。今日の茶道は千利休が完成させた茶の湯を基礎としています。

茶道の真髄はその精神性です。家の主人が客人に対してお茶を振る舞うというだけでなく、茶器の手入れやお茶の時間を充実させるための庭の整備、お茶や料理を振る舞う所作一つひとつが重視されます。

客人をもてなす心と美しい所作、お茶をたてる技術と料理の技術が融合した総合芸術です。外国人に日本人の精神性を紹介するのに、これ以上の例はない日本文化だといえます。

4.芸妓・舞妓|外国人にとって斬新な花街文化を知れる

芸妓・舞妓は京都発祥の伝統的な踊りや楽器、ゲームなどで客人をもてなすプロ。舞妓は15〜20歳の芸者見習いのことをさし、芸者は20歳以上でお座敷でのサービスが認められたプロのことをさします。

芸妓・舞妓の特徴は、何といってもその特徴的な見た目です。芸術的なかんざしの刺さった髪型やカツラで、おしろいを塗り、道ゆく人の目を引くような立派な着物を着ています。

京都や石川、東京下町などは、芸妓・舞妓が働く置屋も多く、外国人たちを招待するのにぴったり。芸妓・舞妓の舞踊や三味線、ゲームなどを楽しんで、日本ならではの文化・伝統に触れられます。

5.書道体験|日本語の文字をクールに書ける

書道は日本語の平仮名・片仮名・漢字を清書用の紙に書いていく芸道です。日本各地に外国人向けの書道体験を提供している場所が数多くあります。日本書道の成り立ちや使用する道具、書道の作法についても教えてくれる教室があるため、全くの初心者の方でも安心ですよ。

筆を使って自分の手で生みだす芸術は、外国人一人ひとりにとって貴重な体験になるでしょう。

日本語を学習している外国人だけでなく、日本文化を体験したいと考えている多くの外国人におすすめの活動です。書道にて日本語を自分で書いてもらうことで、忘れられない日本の思い出になるでしょう。

外国人に紹介したい!意外な日本文化5選

日本人にとっては意外かもしれませんが、外国人にとっては魅力的な日本文化があります。

  1. 食品サンプル
  2. 和太鼓体験
  3. 殺陣(チャンバラ)体験
  4. 折り紙体験
  5. 和菓子作り

ここでは、日本人が知っておきたい外国人に人気の意外な日本文化についてご紹介します。

1.食品サンプル|世界にまたとない再現技術を楽しめる

食品サンプルは、飲食店の店頭に並べられる料理や食材の模型です。日本の食品サンプルはその精巧さから、外国人から絶大な人気をほこっています。メニューのサンプルだけでなく、調理中の料理を表現した躍動的なサンプルも有名です。

元々は店頭に陳列するための食品サンプルでしたが、現在では食品サンプルのキーホルダーや文房具、かんざし、マグネットなど、お土産にうれしいサンプルも数多く販売されています。

食品サンプルを昔から販売している都内の問屋街「かっぱ橋道具街」のお店では、予約制でオリジナルの食品サンプル作り体験を提供しているお店もあり、他の国にはない日本ならではの職人技が見られると話題です。

「元祖食品サンプル屋かっぱ橋店」では、天ぷらやレタス、アニマルフロートなどを自分で作れますよ。

2.和太鼓体験|大人数で演目に参加できる

和太鼓は、かつて合戦の合図や情報伝達などの目的で使われてきた歴史があり、歴史と伝統のある太鼓です。

外国人向けの体験プログラムを提供している教室もあり、60分から数時間という短時間のプログラムで、和太鼓の歴史や伝統・歴史について学び、使い方や演奏の仕方を自分の身体で体験することができます。

英語のガイドがいる和太鼓教室も存在するため、英語での説明が欲しいという方には、英語で和太鼓についてわかりやすく説明してくれる教室を探してみてはいかがでしょうか?

3.殺陣(チャンバラ)体験|サムライに成り切れる

日本映画やドラマなどで披露される刀などの刃物や肉体を使った格闘シーンは、殺陣と呼ばれます。日本映画やドラマ好きの外国人にとっては、殺陣シーンを追体験できる施設は非常に魅力的です。サムライの甲冑や着物を着用してなりきりで殺陣を楽しめるプランは、外国人を中心に人気を集めています。

普段から殺陣のパフォーマンスを披露している方が講師を務める教室を利用すれば、甲冑や着物の着用の仕方を学べたり、本場の殺陣の技術を学べたりするため、殺陣好きの外国人にぴったりでしょう。

4.折り紙体験|1枚の紙から立体物を作る技術を体験する

6世紀に製紙技術が確立した日本では、四方形の紙を使って動物や紙飛行機、人形など、紙でさまざまな形を表現する折り紙が発達しました。100均で売られているようなコスパの良い折り紙もあれば、和紙を使用した極彩色の高級な折り紙もあり、素材や折り方により何百通りもの楽しみ方が見つかります。

簡単な鶴やキリン、飛行機の折り方などを予習・復習しておいて、外国人に披露するのがおすすめです。室町時代から広がった折り紙の歴史についても語れると、興味関心を引けること間違いなしですよ。

5.和菓子作り|見た目が美しい和菓子を一から作れる

四季折々の花々や色彩を表現した美しいお菓子“和菓子”。色や形を自由自在に操れる練り切りという技術で、外国のお菓子では表現が難しいような細かいギミックや色味の変化を加えられます。

日本人が普通に食べているようかんやどら焼き、大福など、それぞれの和菓子の成り立ちには背景があります。和菓子作りの体験をすることで、和菓子の作り方を学べるだけでなく、歴史や伝統、また和菓子を作っている人の裏話などを知ることができますよ。日本文化全体に、興味関心を持ってもらえること間違いなしの体験でしょう。

作って楽しい、食べて美味しい和菓子体験を通して、日本文化を紹介してみてはいかがでしょうか?

外国人に日本文化を紹介する際の3つのポイント

外国人に日本文化を紹介する際には、以下の3つのポイントに気をつけるようにしましょう。

  1. 外国語で説明できるようにする
  2. 外国語併記の説明書・ガイドブックを用意する
  3. 異文化理解に向けた努力をする

ここでは、外国人に日本文化を紹介する際のポイントについてご紹介します。

1.外国語で説明できるようにする

外国人に日本文化を伝えるためには、日本語で歴史や文化、伝統を説明できるガイド付きの施設を選んだり、自分自身が外国語を勉強して少しでも説明できるようにしたりする心構えが大切です。まずは説明するうえで大切な用語だけでも良いので、外国語を身につける努力をしてみましょう。

2.外国語併記の説明書・ガイドブックを用意する

外国人に日本文化を説明する際に、自分自身の言葉で翻訳して説明するのが難しいと感じたら、外国語を併記している説明書・ガイドブックを用意するようにしましょう。書面であればインターネット検索や翻訳アプリ、AIツールなどを駆使することで、外国人に伝わるような文章が作成可能になります。

最新のAIツールなどの助けも借りながら、外国語での説明ができる環境を作っておきましょう。

3.異文化理解に向けた努力をする

外国人と一言で括っても、民族や宗教、国によってバックグラウンドが異なります。まずは説明する相手の国や文化を理解するように努めて、宗教的なタブーや文化的に受け入れられないことは排除し、相手の文化を考慮したコミュニケーションや紹介のしかたを心がけましょう。

相手とのコミュニケーションの時間を設けて、そのうえで旅行プランを提案するのもおすすめです。

外国人に日本文化を紹介するなら言語と異文化理解が大切

この記事では、外国人に人気のある日本文化10選をご紹介しました。固有の文化や歴史、伝統がある日本は、都会的な部分と歴史的な部分が融合した治安の良い国です。外国人が訪れてみたい国ランキングでも常に上位にランクインし、リピーターも続出しています。サブカルチャーも魅力的ですね。

外国人に日本文化を紹介する際には相手の文化や歴史、常識を考慮しながら、相手にとって相応しいコミュニケーションと説明のしかたを考えて、外国人にウケるように日本文化を紹介してみましょう。

日本の伝統や文化、歴史だけでなく、日本ならではの現代的な文化を紹介するのもおすすめですよ。

  • 記事を書いたライター
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カズキ@かりぐら

埼玉県和光市出身。大学時代に始めたバックパッカー旅をきっかけに旧ソ連圏にハマり、最終的にロシア語留学を果たす。留学後はWebライター・日本語教師として活躍中。趣味のロシア語や旧ソ連圏の知見を生かした旅行記事の執筆を担当しています。

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