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地理マニア厳選!日本のあまり知られていない世界遺産・穴場6選

日本には数多くの世界遺産が存在しますが、知名度が低いものや、世界遺産と認識されていないものも多くあります。あまり知られていない穴場の世界遺産は、新たな発見と感動をもたらす貴重な存在であり、独自の文化や価値から「訪れる人々に特別な体験」を提供するでしょう。

本記事では、隠れた魅力を持つ世界遺産を、6つ厳選してご紹介します。あまり知られていない世界遺産を巡る旅は、日本の魅力を再発見する素晴らしい機会となるでしょう。

あまり知られていない日本の世界遺産の魅力とは

日本には、有名な観光地とは一線を画す魅力を持つ「あまり知られていないといえる世界遺産」がいくつか存在します。これらは希少な場所であるとともに、独特の見どころも隠れています。ゆったりとした時間の中で世界遺産本来の姿に触れる機会は、新たな発見と感動をもたらすでしょう。

ここでは、「穴場的な世界遺産の魅力」や「訪れる意義」について、詳しく見ていきます。

穴場スポットを訪れる意義

日本には、現在26の世界遺産(※)があり、比較的知名度が低いものも含まれます。これらの穴場スポットを訪れることで、混雑を避けてゆっくりと観光できるだけでなく、地域の本質的な文化や自然に触れる機会を得られるでしょう。

観光客が集中しない場所を訪れると、持続可能な観光の実現にも貢献可能です。隠れた宝石のような場所を訪れることで、日本の多様性や奥深さを再発見し、新たな視点で自国の文化・遺産を見直すきっかけにもなります。地元経済の活性化にも寄与し、訪れる側と受け入れる側の双方にとって有意義な経験となるでしょう。

※2024年8月時点の情報

参照元:文化庁「日本の世界遺産一覧

本質的な価値を楽しむ方法

あまり知られていない世界遺産の本質的な価値を楽しむには、事前学習と現地での深い体験が重要です。訪問前に歴史や文化背景を学び、現地では時間をかけて観察することで、世界遺産の真の魅力に気づけるでしょう。地元のガイドツアーへの参加や、地域の人々との交流もおすすめです。

季節や時間帯を考慮して訪問すれば、風景や雰囲気をよりいっそう味わえるでしょう。写真撮影だけでなく、スケッチや日記をつけるなど、自分なりの方法で体験を記録することも、世界遺産の価値を深く理解する効果的な方法です。

厳選!日本のあまり知られていない世界遺産・穴場6選

あまり知られていないものの、独自の歴史や文化、自然美を誇る世界遺産が、日本各地に点在しています。ここでは、隠れた魅力を持つ6箇所の世界遺産をセレクトし、紹介します。それぞれの遺産が持つ個性豊かな特徴をお楽しみください。

1.【東京】小笠原諸島 

東京都に属しながら、本土から1000km以上離れた太平洋上に浮かぶ小笠原諸島。その独自の生態系と美しい自然景観が評価され、2011年に世界自然遺産として登録されました。

東京から1000km離れた秘境で、都会の喧騒を忘れる 

小笠原諸島へは、東京竹芝桟橋から出港する船で約24時間かかります。長い船旅自体が、日常から離れる体験となるでしょう。

島に到着すると、澄んだ空気と青い海、豊かな緑に包まれ、都会の喧騒とはほど遠い景色が広がります。固有種の動植物を観察し、美しい星空を眺めるなど、心身ともにリフレッシュできる特別な時間を過ごせるでしょう。またホエールウォッチングや海水浴、トレッキングなど、自然を満喫できるアクティビティも充実しています。

透明度抜群の海で、心も体もデトックス

小笠原諸島の海は、透明度の高さで知られています。シュノーケリングやダイビングを楽しめば、カラフルな熱帯魚やサンゴ礁の美しい光景に出会えるでしょう。また、ウミガメ・イルカ・クジラなどの海洋生物との遭遇も期待できます。

美しい海に身を任せることで、日々のストレスから解放され、心身ともにリフレッシュできるはずです。加えて、島々の独特な生態系や星空観察など、陸上でも豊かな自然体験が待っています。

2.【島根】石見銀山遺跡とその文化的景観

島根県大田市に位置する石見銀山は、江戸時代に世界有数の銀山として栄えた場所です。歴史的価値と周辺の文化的景観が評価され、2007年に世界文化遺産に登録されました。

タイムスリップしたような静かな山里で、心を癒やす 

石見銀山を訪れると、時間が止まったかのような静かな山里の風景が広がります。大森地区の武家屋敷や商家が立ち並ぶ町並みは、タイムスリップしたかのような錯覚を覚えるかもしれません。

静かな環境の中を歩きながら、かつての繁栄を偲び、歴史に思いを馳せるのもよいでしょう。世界遺産に登録された鉱山跡や、周辺の自然豊かな景観も、訪れる人々の心を和ませます。現代の喧騒を忘れ、ゆったりとした時間の流れを楽しめるでしょう。

江戸時代の町並みをゆっくり散策し、忙しい日常をリセット

石見銀山の町並みをゆっくりと散策することで、日常から離れ、心をリセットする機会が得られます。龍源寺間歩(りゅうげんじまぶ)という江戸時代の坑道跡の見学や、石見銀山世界遺産センターで当時の採掘技術や生活を学ぶことも可能です。

また、自然豊かな景観を楽しみながらハイキングをすれば、心身ともにリフレッシュできることでしょう。大森の町並みや銀山公園など、歴史と自然が調和した環境で、ゆったりとした時間を過ごせます。

3.【鹿児島・沖縄】奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島 

鹿児島県の奄美大島・徳之島と沖縄県の沖縄島北部・西表島は、2021年に世界自然遺産に登録されました。固有種が多く生息する亜熱帯の自然環境が、高く評価されています。

亜熱帯の楽園で、日々のストレスを吹き飛ばす 

対象地域を訪れると、豊かなマングローブ林や美しいサンゴ礁、透明度の高い海に出会えます。カヌーを使ったマングローブ林の探検や、シュノーケリングで色彩豊かな熱帯魚を観察すれば、日常のストレスから解放されるでしょう。

運がよければ、イリオモテヤマネコやアマミノクロウサギなどの希少な動物に出会えるかもしれません。亜熱帯特有の自然環境に身を置くことで、心身ともにリフレッシュできる貴重な体験ができます。

美しい自然と独特の文化に触れ、新たな自分を発見

対象地域には、豊かな自然だけではなく独特の文化も息づいています。奄美大島の泥染め、西表島の星砂海岸など、各島の特色ある文化や自然に触れることで、新たな発見や感動を得られるでしょう。

また、地元の人々との交流を通じて、のんびりとした島の生活様式に触れると、自分自身を見つめ直す機会にもなり得ます。伝統工芸・祭り・郷土料理など、多彩な文化体験が旅をより豊かにするでしょう。

4.【福岡】「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群

福岡県の宗像・沖ノ島と関連遺産群は、古代から続く「神秘的な祭祀の歴史」を今に伝える世界遺産です。沖ノ島自体への上陸は厳しく制限されているものの、関連施設を巡ることで、その神秘的な魅力を感じられます。

宗像大社三宮巡りで、古代祭祀の神秘に触れる 

宗像大社の三宮(辺津宮・中津宮・沖津宮遙拝所)を巡ることで、古代豪族宗像氏が築いた海洋信仰の伝統と、宗像三女神をまつる祭祀の歴史を体感できるでしょう。

辺津宮では荘厳な本殿や神宝館を見学し、中津宮がある大島では美しい海の景色を楽しめます。沖津宮遙拝所からは、神秘の島・沖ノ島を遠望でき、古代人が感じた畏敬の念を追体験できるでしょう。これらの場所を訪れることで、日本の古代信仰の深さを実感できます。

海の道むなかた館で、沖ノ島の歴史と文化を学ぶ

海の道むなかた館は、沖ノ島の歴史と文化を詳しく学べる重要な施設です。ここでは、上陸が制限されている沖ノ島について、豊富な展示資料や解説を通じて理解を深められます。古代祭祀の様子や、沖ノ島が果たしてきた対外交流の要としての役割、そして世界遺産としての文化的価値を知ることが可能です。

映像技術を用いた展示も実施されており、沖ノ島の神秘的な雰囲気を体感できる、貴重な場所となっています。

5.【北海道・青森・岩手・秋田】北海道・北東北の縄文遺跡群 

北海道と東北北部に点在する多数の縄文遺跡群は、2021年に世界文化遺産に登録されました。約15,000年前から2,400年前の縄文文化を伝え、狩猟・漁労・採集を基盤とした定住社会の発展と豊かな精神文化を示す貴重な遺産です。

悠久のときを感じる遺跡群で、日々の忙しさから解放

縄文遺跡群を訪れると、時間が止まったかのような静寂に包まれます。三内丸山遺跡(青森県)・大湯環状列石(秋田県)・北黄金貝塚(北海道)など、各遺跡の独特な雰囲気に浸りながら、悠久のときの流れを体感しましょう。1万年以上前から続く人類の営みを感じながら遺跡を巡ることで、現代社会の喧騒から離れ、心を落ち着かせられます。

縄文人の知恵に触れ、現代のライフスタイルを見直す機会に

縄文時代の人々は、自然とともに持続可能な生活を営んでいました。遺跡から発掘された土器や装飾品などを通じて、彼らの優れた技術と豊かな精神性に触れられるでしょう。

たとえば、「縄文土器の精巧な文様」や「貝塚に見られる資源の有効活用」など、縄文人の知恵は現代にも通じる点があります。縄文の知恵に触れることで、現代のあり方を再考する糸口が見つかるかもしれません。環境との調和や循環型社会について、新たな視点を得る貴重な機会だといえます。

6.【長崎・熊本】長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産 

長崎と天草地方に点在する潜伏キリシタン関連遺産は、江戸時代の禁教政策下で信仰を守り続けた人々の歴史を伝える文化遺産です。2018年に世界遺産に登録された遺産群は、日本の宗教史における重要な一面を物語ります。

隠れキリシタンの歴史に触れ、心の静けさを取り戻す

潜伏キリシタンの歴史が息づく長崎の地を訪れると、信仰を守るために苦難を乗り越えた人々の思いが伝わってくるようです。平戸の春日集落や五島列島の久賀島集落などを巡り、当時の生活や、信仰の形に思いを馳せるのもよいでしょう。

ひっそりとたたずむ教会や集落の風景は、現代社会の喧騒から解き放ち、心の奥底にある静けさを呼び覚ましてくれます。歴史的なスポットの巡礼は、自己を見つめ直す機会となり得るでしょう。

静かな集落や教会を巡り、深い精神性に出会う

大浦天主堂や旧五輪教会堂など、美しい教会建築は「潜伏キリシタンたちが遺した足跡」として、今も静かにたたずみます。彼らの深い精神性に触れ、人間の根源的な強さを想像するのもよいでしょう。

厳しい迫害の中で守り抜かれた信仰の歴史は、信仰の自由と、文化の多様性を考えさせてくれます。静かな巡礼は、現代を生きる人々の「心の奥底にある普遍的な価値観」を再発見させる契機になるでしょう。

穴場スポットの世界遺産を楽しむコツ・アドバイス

日本のあまり知られていない世界遺産への旅行は、文化や歴史の宝庫を発見する機会です。しかし、本質的な価値を十分に味わうには、少々の工夫が必要です。

ここでは、あまり知られていない世界遺産を訪れる際に、本質的な魅力を最大限に楽しむためのコツとアドバイスを紹介します。

ベストシーズンと穴場の時間帯

世界遺産を訪れる際は、ベストシーズンや穴場の時間帯を選ぶことで、より充実した体験が可能です。たとえば、紅葉や桜の季節は美しい風景を楽しめるものの、混雑も予想されます。オフシーズンを選択すれば、ゆったりと世界遺産の魅力を堪能できるでしょう。

早朝や夕方など、観光客の少ない時間帯を狙うのもおすすめです。朝日や夕日に照らされた建造物や、自然の風景は格別だといえます。また平日に訪問すれば、地元の人々の日常生活を垣間見て、世界遺産本来の雰囲気をより深く味わえることもあるでしょう。

エコツーリズムの重要性と参加方法

世界遺産を訪れる際、エコツーリズムの実践は、環境保護と深い体験の両立に寄与します。対象地域の自然や文化を理解するため、地元ガイドツアーへの参加や環境保護活動への協力も推奨されます。

たとえば西表島では、マングローブ林でのカヌー体験や、星空観察ツアーが人気です。こうした活動を通じて、自然環境保護の重要性を実感し、持続可能な観光のあり方を考えられます。

エコツーリズムへの参加により、訪問者は単なる観光客から、地域の自然や文化を守る一員へと変わるでしょう。環境への配慮と地域社会への貢献を両立させ、より責任ある旅行の実現につながります。

地域文化を尊重するための心得

世界遺産訪問時の文化尊重は、地域との相互理解を深め、遺産の保全と持続可能な観光を実現するために不可欠です。文化を尊重する姿勢により、訪問者と地域社会双方にとって、有益な経験がもたらされるでしょう。

たとえば宗教施設が対象の場合、「露出の少ない控えめな服装を選ぶ」「帽子や靴を脱ぐべき場所では指示に従う」など、適切な行動が求められます。写真撮影の禁止場所ではルールを厳守し、地元の人々のプライバシーにも配慮しましょう。地域との交流を大切にするため、その土地ならではの挨拶や基本的な言葉を覚えておくと、より深い文化理解につながります。

まとめ:日本の隠れた世界遺産_新たな発見と深い感動の旅へ

日本には、あまり知られていないものの、独自の魅力を持つ世界遺産が存在します。隠れた名所を訪れることで、新たな発見と深い感動を得られるでしょう。自然の美しさ・歴史の重み・文化の深さに触れ、日本の多様性を再認識できます。エコツーリズムの実践や地域文化の尊重を心掛けることで、より豊かな体験も可能だといえます。

あなたも、日本の魅力的な世界遺産に出かけてみませんか?心に残る素晴らしい思い出と、日本の奥深さを再発見する機会になるでしょう。

  • 記事を書いたライター
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Narumi Onodera

地理学科出身で、2児のママです。「高校地理」と「中学社会科」の教員免許をいかしつつ、旅行先の選定や、現地での過ごし方に工夫をこらしています。またバンド活動での経験から、移動手段や遠征情報にも詳しいです。さまざまな旅行スタイルに合わせた楽しみ方を、シェアできれば嬉しく思います。

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